最新記事

米政権

トランプの「嘘」まとめ(就任式、対日要求ほか)

2017年1月26日(木)06時32分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

(2)日本の自動車市場は不公平だ!

 とりわけ日本で大きく報じられたのは、対日貿易に関するトランプの発言だろう。トランプは23日、フォードやロッキード・マーチンなど米企業の経営者らと会談した際、日本はアメリカに何十万台も自動車を輸出しているのに「我々が日本で車を売ろうとしても、彼らがそれを(非関税障壁を設けて)不可能にしている」と、日本を名指しで批判した。

 1月上旬には、トランプがトヨタのメキシコ工場建設計画をツイッターで批判し、その4日後にトヨタが北米国際自動車ショーで「今後5年間で対米投資100億ドル」と発表した一件があったばかり。今回の「この問題は協議しなければならない」「不公平だ」といったトランプ発言に、日本の政財界は大慌てとなった。

 実際には"大慌て"というより"戸惑い"かもしれない。今回の「不公平」批判も事実と異なるからだ。

 日本からの対米自動車輸出には2.5%の関税が課せられるが、アメリカからの対日自動車輸出の関税はゼロ。「関税以外の部分でも日本車と何ら差別的な取り扱いはしていない」と、世耕弘成経済産業省は24日の記者会見で反論している。貿易交渉のためなら嘘も方便なのか。

【参考記事】ウソを恥じないトランプ政権に、日本はどう対応するべきか

(3)500万人の不法移民がクリントンに投票した!

 大統領選が終わって2カ月が経つが、トランプは再びこの話を持ち出した。23日に開かれた議会指導者との初めての会合で、300万~500万人の不法移民がクリントンに投票したと語ったという。

 トランプは大統領選に勝利したが、総得票数ではクリントンに約290万票下回っていた。11月下旬にも、不当に票を奪われたとツイッターで主張していたが、就任してなお同じ主張を繰り返した格好だ。そうでもしなければ、国民が自分の勝利と大統領就任を正統だと認めないと懸念しているのではないかと、ニューヨーク・タイムズ紙は分析している。

 24日にはスパイサー報道官もトランプを擁護したが、もちろんこれも「嘘」だった。スパイサーは「2008年のピュー(・リサーチセンター)の」報告書を今回の大統領選で不正があった証拠として挙げたが、ブルームバーグの取材によれば、そもそも2008年にピュー・リサーチセンターはそのような報告書を出していない。

 全米各地の選挙管理委員会はすでに不正投票は事実上なかったと結論づけている。数百万人などもってのほかだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、移民判事をさらに解雇 親パレスチナ学生送還

ビジネス

豪消費者信頼感指数、4月は2年超ぶり低水準 中東紛

ワールド

豪企業信頼感指数が急落、イラン戦争の影響懸念

ワールド

トランプ氏投稿のキリスト風画像、支持層の批判で削除
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 5
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 6
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 10
    BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音楽市場で…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中