最新記事

アメリカ政治

現実路線に変身のトランプに支持者が反旗? 「公約破りなら圧力も」

2016年11月17日(木)10時55分

 モリス氏は、公有地での家畜放牧に対する課金をめぐる牧畜農家と連邦政府の紛争については、トランプ氏が牧畜農家側に味方することを望んでいると言う。「スリーパーセント」のメンバーの多くが参加する契機となった問題だ。

 トランプ氏が結果を出さない場合は支持者が離反することを覚悟しておくべきだ、とモリス氏は警告する。

「彼ならやってくれると大きな期待を抱いて人々は投票した」とモリス氏は言う。「もし結果を出さないまま4年の任期の終わりに戻ってきて、自分がやるべきことをやり遂げるにはもう4年必要だ、などと主張しても、うまく行くとは思えない。

 あれだけ強い調子で語っていたトランプ氏は、移民問題について強い行動を起こさなければならない、と移民の抑制を支持する団体ナンバーズUSAを率いるロイ・ベック氏は語る。

 低熟練労働者や特別なスキルを持たない移民削減を含め、不法移民の取り締まり強化と合法的な移民や外国人労働者の削減という公約を守らせるよう、ナンバーズUSAをはじめとする草の根団体はトランプ氏に圧力をかける、とベック氏は言う。

「あれほど大胆に移民問題を最優先課題にしなかったら、彼が大統領に選ばれることは絶対になかっただろう」とベック氏は断言する。「最優先課題というからには、実行すべきだ。問題はその詳細だ。

 トランプ氏の「国境に壁を築く」という提案は、移民に関する法の支配の回復を簡潔に表現しただけだと支持者の多くは理解しているとベック氏は指摘。ただ、公約としてトランプ氏を評価する基準になるとも語った。

「移民問題への対処については、私たちは1950年代以降で最も良い立場にあるが、それでも課題は大きい」とベック氏は言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バークシャー、手元資金が過去最高 第1四半期にアッ

ワールド

イスラエル、アルジャジーラの活動停止 安全保障の脅

ビジネス

英シェル株主は気候対策強化案に反対を、グラスルイス

ワールド

中国主席、5年ぶり訪欧開始 中仏関係「国際社会のモ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中