最新記事

アメリカ政治

現実路線に変身のトランプに支持者が反旗? 「公約破りなら圧力も」

2016年11月17日(木)10時55分

「彼は壁を築いてくれるだろうし、シリア難民問題にも気を配ると思う。オバマケアも廃止するだろう。そういうことを彼がやらない可能性はゼロだ」と彼女は言う。

 だが、議会の過半数を共和党が維持しているとはいえ、トランプ氏の計画は部分的な制約や譲歩を受け入れざるを得ないだろう。多くの共和党員は、たとえば貿易協定からの脱退やインフラ改善に向けた政府支出拡大といった提案には難色を示している。

 すでにトランプ氏の計画の一部は撤回を強いられている。

 トランプ氏が最も大きな期待を寄せられているのは移民問題だ。選挙戦のあいだ、メキシコに費用負担させて国境に壁を建設する、ムスリムの入国を一時的に禁止するといった、注目を集める提案を非常に強調していたからである。

 だが最近になってトランプ氏が示しているのは、当初は前科のある不法移民のみを国外退去させ、その後、過去に公約していたようにすべての不法滞在外国人を退去させるが、ムスリムの入国禁止については、一部の国々からの移民について「非常に厳しく審査」するという程度に軟化している。

「オバマケア」については、10日にオバマ大統領と話した結果、完全撤廃の要求を緩め、一部をそのまま残すことも検討するとトランプ氏は11日、ウォールストリート・ジャーナル紙に語っている。

時間が必要か

 コロラド州を本拠に活動する民兵団体「スリーパーセント・ユナイテッド・パトリオット」の指導者であるマーク・モリス氏は、一部の問題についてはトランプ氏にも時間が必要だろうと理解を示す。ただオバマケア廃止と、亡くなったアントニン・スカリア氏の後継となる連邦最高裁判事の人事については、迅速に動くことを期待しているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、公開市場で国債買い入れ再開 昨年12月

ワールド

米朝首脳会談、来年3月以降行われる可能性 韓国情報

ワールド

米国民の約半数、巨額の貿易赤字を「緊急事態」と認識

ワールド

韓国裁判所、旧統一教会・韓被告の一時釈放認める 健
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中