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「アベノミクスの成果」に黄信号、来年度予算のため赤字国債増発か

2016年8月4日(木)19時08分

政府内に赤字国債増発容認の声

 だが、政府部内には、足元で見え始めた国内景気の停滞感を重視し、歳出枠や財政再建目標に関して柔軟な対応が必要との意見も広がり始めている。

 経済官庁幹部の1人は、現在の政府部内での議論に関して「経済対策の効果で成長加速が見込め、税収増によって財源を賄うという考え方がある。一方、基礎的財政収支の20年度黒字化目標はあきらめるという考え方もある」と話す。

 その幹部は「消費増税延期の判断をみても、リフレ派エコノミストの指摘が当たっていたのは事実」とも話す。

 別の政府関係者は「経済対策の財源確保のため、単年度の赤字国債増発について、柔軟に対応してもいいかもしれない」と漏らす。

 こうした情勢に関して、バークレイズ証券・チーフエコノミストの森田京平氏は「税収の状況はかなり厳しい。これまでは円安を背景に法人税を払う企業数が増え、税収は一気に高まった。だが、状況は変化した。今後の税収増は従来のようには期待できない」と指摘する。

 そのうえで「政府は現在、財政再建目標を堅持するため赤字国債増発の回避を掲げている。そのため今回の対策では、(政策対応の)時間軸に余裕を持たせている項目が多い」と分析する。

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