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パナマ文書、中南海に走る激震――劉雲山の息子・劉樂飛の巻

2016年4月8日(金)15時56分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

 結果、劉楽飛はこれらを操ったとして辞職へと追い込まれている。

チャイナ・セブンに走る激震の震源地は劉雲山

 実は、劉雲山自身もまた株式市場の情報操作による利益を手にしているという噂もある。

 劉楽飛は言うにおよばず劉雲山も十分にクロだと筆者は思っているが、ぐらつく一党支配体制をイデオロギーで引き締めようとしている習近平が、そのお膝元で、イデオロギー担当の劉雲山が一党支配を危うくするような動きに出ているとなれば、出発時点におけるチャイナ・セブンの結束は望みようもない。

 パナマ文書で、最も危ないのは、実はこの劉雲山の存在と動きである。

 他の震源地に関しては、追ってまた考察したい。

[執筆者]
遠藤 誉

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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