最新記事

テロ

ジャカルタ爆発でISISが犯行声明、首謀者はインドネシア人

イスラム教徒が過半数を占めるインドネシアでISISがテロを行ったのは初めて

2016年1月15日(金)11時42分

1月14日、インドネシアの首都ジャカルタ中心部で、複数の爆発が起き、銃撃戦が発生している。警察は、少なくとも1件の爆発は自爆によるものとの見方を示した。ジャカルタで撮影(2016年 ロイター/Darren Whiteside)

 インドネシアの首都ジャカルタ中心部で14日発生した、武装グループによる発砲・爆弾事件は、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。事件で容疑者5人を含む7人が死亡した。

 イスラム教徒が過半数を占めるインドネシアで「イスラム国」が攻撃を行ったのは初めて。

 攻撃は、スターバックス店舗や老舗デパートの付近で発生した。少なくとも6回の爆発が起き、映画館では7人程度の武装集団と警官が銃撃戦となり、一部は自爆したとみられる。

 容疑者以外では、警察官とカナダ人男性が死亡。アルジェリア人、オーストリア人、ドイツ人、オランダ人を含む20人が負傷した。容疑者のうち2人は身柄を拘束された。死亡者数が比較的少ないのは、武装集団が使用する武器が単純なものであったためと、専門家は指摘している。

 「イスラム国」とつながりのある通信社は、「イスラム国の戦士がきょう午前、インドネシアの首都で外国人と外国人を保護する治安部隊をターゲットに武力攻撃を実行した」とメッセージアプリで表明した。

 インドネシア警察は記者団に、「ISIS(イスラム国)が今回の攻撃に関与していることに疑いの余地はない」とし、攻撃の首謀者はインドネシア人のバルン・ナイム容疑者だと確認した。同容疑者はシリア北部のラッカにいるとみられている。

 インドネシアに対しては以前、「イスラム国」が攻撃を示唆する警告を発していたことから、警察当局は警戒を強めていた。

 警察の報道官によると、インドネシアを「スポットライトの下に置く」という警告を、「イスラム国」から受けていたという。

 

[ジャカルタ 14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米原油先物3ドル超下落、トランプ氏がイスラエルとイ

ワールド

イスラエルとイラン、完全停戦で合意 トランプ氏発表

ビジネス

ボウマンFRB副議長、7月利下げに前向き インフレ

ワールド

米下院、関係者にワッツアップの利用を禁止
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 8
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中