最新記事

中東

【写真特集】50日戦争から1年、ガザの焦燥

インフラの再建は遅々として進まず、いまだ多くの人が瓦礫の中で暮らしている

2015年10月19日(月)18時00分
Photographs by Ali Hassan-Anadolu, Christopher Furlong

イスラエルによる空爆で破壊されたパ レスチナ自治区ガザの建物。瓦礫の上には「I LOVE GAZA」のグラフィティが (以下、写真はすべて2015年6月) CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES

 昨年の夏に多くの犠牲者を出した「ガザ50日戦争」から1年――。イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザにイスラエル軍が攻撃を開始したのは、昨年7月8日のこと。50日間に及んだ激しい空爆と地上戦により2200人ものパレスチナ人が命を落とし、1万人以上が負傷。ガザの町は壊滅的に破壊された。
 
 戦闘終結から1年以上が過ぎた今も、町のあちこちに戦争の傷痕は残っている。休暇には家族で海水浴に出掛けるなど、人々は日常を取り戻しているようにも見える。しかし、破壊された家屋やインフラの再建は遅々として進んでおらず、いまだ多くの人が瓦礫の中で暮らしている。

 復興が進まない要因の1つが、イスラエルによるガザ封鎖だ。ハマスが武器を密輸したり、地下トンネルを再建したりするのを恐れるイスラエル政府は、セメントなど建築資材のガザへの搬入を厳しく制限している。国連開発計画(UNDP)は、このままだと復興までに30年かかると警鐘を鳴らす。

 憎悪の連鎖が続くこの地は、再建前に再び戦火にのまれる可能性すらある。

ps-gaza02.jpg

ラマダン(断食月)の日没を迎え瓦礫の中で食事を取るガザ住民 ALI HASSAN−ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES


ps-gaza-03.jpg

ガザ地区の南端ラファの検問所が3日間だけ開放されて運び込まれたセメント ALI HASSAN−ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ラファ住民に避難促す 地上攻撃準備か

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月も50超え1年ぶり高水準 

ビジネス

独サービスPMI、4月53.2に上昇 受注好調で6

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中