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ナイジェリア

テロリストとの取引は許されるか

2014年5月28日(水)16時16分
ジョシュア・キーティング

誘拐の身代金が資金源に

 テロ組織に理性的な政治的大義がある場合のみ、交渉に応じるべきだという意見もある。しかし、ボコ・ハラムのような組織の場合は特に、政治的大義を見極めることは難しい。

 アルカイダ系テロ組織と関係国政府の交渉も、実際は政府側の発表よりも頻繁に行われているようだ。アルジェリアを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」は近年、外国人を誘拐しては政府から巨額の身代金をせしめている。

 その身代金も問題だ。アフリカとアラブ諸国は、身代金の支払いを国際的に禁止するよう求めている。一方、今のところ多くの政府が、自国の市民を取り戻すために身代金を支払う価値はあると考えている。

 ナイジェリア政府はボコ・ハラムと対話をしてきた過去があり、今回も本心では交渉に応じたいのかもしれない。しかし国際的に注目が高まるなか、裏取引は難しい。

 シェカウは人質解放の具体的な条件をまだ示していない。一方、現時点では、明らかに彼のほうが切り札を持っている。もちろん、かなり高い値を吹っ掛けてくるだろう。

 ナイジェリア政府は、最悪の選択肢の中から一番ましなものを探している状態だ。

© 2014, Slate

[2014年5月27日号掲載]

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