最新記事

刑罰

韓国で悪質な性犯罪者は「去勢」に

強姦件数が増加傾向にあり、陰惨な事件も多い韓国で厳罰化がスタート

2013年7月3日(水)16時08分
ファイン・グリーンウッド

 強姦などの発生件数が増加傾向にあり、陰惨な性犯罪が報じられることも多い韓国。先週、性犯罪関連6法の改正法が施行され、そこで性犯罪の厳罰化が明確にされた。

 特に目を引くのは「親告罪」規定の撤廃だ。日本と同じく韓国では、性犯罪は被害者の告訴なしに起訴できない親告罪が適用されていた。そのため、被害者が加害者に脅されて告訴取り消しや示談に持ち込まれる例が問題視されていた。今後は、家族や友人が代わりに告発できる。
 
 成人男性が強姦の被害者として認められたことも画期的。強姦罪の対象は「婦女」とされていたのが、「人」に修正された。

 アルコールや薬物の摂取による心神耗弱を理由に、量刑を軽減する規定もなくなった。児童や未成年を対象にした買春への刑罰も強化された。

 これに先立ち3月には、性犯罪者の「化学的去勢」をめぐる法改正があった。16歳未満を相手に性犯罪を行い、再犯の恐れがある者への薬物治療で、昨年初めて執行された。それが今は被害者の年齢に関係なく、「性倒錯症」と認められるすべての加害者に裁判所が去勢を命じることが可能になった。

[2013年7月 2日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、ウクライナ支援で3案提示 欧州委員長「組み合

ワールド

EU、ウクライナ支援で3案提示 欧州委員長「組み合

ワールド

ポーランド鉄道爆破、前例のない破壊行為 首相が非難

ビジネス

ユーロ圏の経済成長率見通し、今年1.3%に上方修正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中