最新記事

ヨーロッパ

脱メタボ国家の切り札はチョコレート税

肥満撲滅のために「脂肪税」を導入したデンマークで、チョコレートが新たな課税の標的に。しかし効果より弊害の方が大きくなる恐れも

2012年1月30日(月)14時57分
リチャード・オレンジ

狙い撃ち スイーツには「にがすぎる」試練になりそう Jean-Claude Amiel/Getty Images

 喫煙者を減らしたければ、タバコを値上げすればいい――この発想は欧米諸国で実践され、見事な成果を上げている。これにヒントを得てか、デンマークは2011年10月からひと味変わった税を新たに導入した。「脂肪税」だ。

 これは、飽和脂肪酸を一定以上含む加工食品に対して課されるもの。飽和脂肪酸1キロ当たり16クローネ(約218円)が課税される。国民のウエストの膨張を止め、動脈硬化から守るのが狙いだ。導入後、バターやポテトチップス、牛ひき肉などが軒並み値上がりした。

 さらに今年から、脂肪税の新たな標的となったのがチョコレートだ。1月1日からチョコレート1キロ当たり6クローネ(約82円)が課税される予定だ。

 13年からは、加工食品に含まれる糖類も、1キロ当たり最大24クローネ(約328円)が課税されるという。

チョコレートの健康効果は無視

 売る側にしてみれば、事態はきわめて深刻だ。「われわれのように小さな店は大きな痛手を受ける」と、あるベーグル店の店主は言う。「ピクルスだって砂糖を使っている」

 コペンハーゲン大学のアルネ・アストラップ栄養学部長は、「チョコレートが健康的でないという根拠はない」と語る。「バターもクリームも加えないダークチョコレートは特に、健康にいい効果をもたらすことが証明されている」

 デンマーク人は先進国の中でもスリムで、肥満は10人に1人(ちなみにアメリカは3人に1人)。とはいえ、健康に悪い食生活は早死ににつながると指摘する専門家もいる。

GlobalPost.com特約

[2012年1月 4日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウォルマート、時価総額1兆ドル到達 EC事業の成長

ワールド

インドの対米工業品関税ゼロへ、農産物は一部保護維持

ビジネス

5月のG7財務相会議、為替対応が議題に 中国念頭に

ワールド

ディズニー新CEOにダマロ氏、テーマパークトップ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 8
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 9
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中