最新記事

中東

SNSをあざ笑う超監視国家シリア

エジプトではソーシャルメディアが独裁を打倒したがネットに偽情報をばらまくアサド政権の壁は厚い

2011年4月6日(水)09時19分
マイク・ジリオ

秘密の頂点 反体制デモを外国が仕掛けた陰謀のせいにするアサド Bogdan Cristel-Reuters

 秘密警察ににらまれてからは偽名を使っている。政治活動の実態や居場所も秘密。使用する証明写真は合成画像。ネット空間でも、暗号と転送サーバーの向こうに隠れた幽霊のような存在だ。

 シリアの人々は当局の監視と非常事態宣言の下で何十年も暮らしてきた。監獄に入りたくなければ念には念を入れる必要があると、反体制派活動家のマラト・アウムランは言う。「(秘密警察は)いろいろなやり方でアプローチしてくる」

 BBC(英国放送協会)記者を名乗る者が電話してきて、騒乱の目撃者や活動家と直接話がしたいと言われたこともある。美人の女性活動家に成り済ました秘密警察工作員の「ハニートラップ」も経験した。

 数カ月前から密接に協力していた「同志」が、実は政府のスパイだったこともある。この国では、友人や仲間をつくることが危険極まりない行為になる。...本文続く

──ここから先は4月6日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年4月13日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<iPad版、iPhone版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください。

今週のカバー特集は「3.11語られない真実」
─犠牲者の身元確認や放射能差別など日々の報道では伝えられない被災の現実を追いました
■「3.11犠牲者の尊厳を守れ」
■「『フクシマ』差別が始まった」
■「ボランティアは押し掛けていい」
■「東電バッシングが生む『二次災害』」

<最新号の目次はこちら

[2011年4月13日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ボウマンFRB副議長、年内3回の利下げ支持 労働市

ビジネス

米、エヌビディアに中国向け「H20」輸出許可付与=

ワールド

トランプ氏、アラスカで3者会談にオープン ウクライ

ワールド

欧州、ウクライナの利益守る必要性強調 米ロ会談控え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 10
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中