最新記事

社会貢献

セレブパワーで大量虐殺を防ぐ

ジョージ・クルーニーがスーダンで始めた「衛星見張り番プロジェクト」は画期的な抑止力になるかもしれない

2011年1月13日(木)13時04分
アンドルー・メルドラム

救世主? 知名度だけでなく頭脳と技術も駆使するクルーニー(1月9日、スーダンの画期的な住民投票に立ち会って) Goran Tomasevic-Reuters

 悲惨な内戦に苦しんできたスーダンで、俳優のジョージ・クルーニーが最先端の人権擁護プロジェクトを立ち上げた。

 スーダンでは北部のアラブ系政府と南部の非アラブ系勢力が対立し、83年から続いていた内戦が05年に終結。今年1月9日から南部の分離独立の是非を問う住民投票が実施される。しかし北部を拠点とする中央政府が、石油資源の豊富な南部の独立を認めない場合、再び内戦に突入する懸念が高まっている。

 そこで昨年12月29日に始動したのが「衛星見張り番プロジェクト」だ。人工衛星の映像と現地からの報告を分析し、緊迫が高まる南北の境界付近を監視する。「大量虐殺などの戦争犯罪を犯そうとしている者に、われわれが見ているぞ、世界が見ているぞと知らせたい」と、クルーニーは語る。「戦争犯罪者は暗闇で動き回る。メディアが目を光らせれば、集団的な残虐行為はかなりやりにくくなる」

 クルーニーはスーダンの紛争地域を何回か訪れ、平和活動で大きな発言力を持つようになった。昨年10月にも南北の境界付近を訪れて今回の監視プロジェクトを考案。前例のない幅広い協力体制と資金援助を取りまとめて実現にこぎ着けた。...本文続く

──ここから先は1月12日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年1月19日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<iPad版、iPhone版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください。

他にも
■カバー特集「だから新聞はつまらない」
■「中国軍のステルスな実力」など、読み応え満点です。
<最新号の目次はこちら

[2011年1月19日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 5
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中