最新記事

テロ

北アフリカ発、新たなアルカイダの脅威

2010年9月27日(月)12時48分
ラビ・ソマイヤ

 最近になって、世界の新たな脅威として存在感を増している組織がある。アルカイダ系の過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」だ。先週、西アフリカのニジェール北部でフランスの原子力発電会社アレバの社員らフランス人5人が誘拐されたが、これをAQIMによる犯行とみる向きもある。もし事実なら、欧米人の誘拐は今年3度目だ。

 7月には、ニジェールで援助活動に携わっていた78歳のフランス人男性が誘拐された。フランス軍が救出作戦を展開したが、AQIMのメンバー6人を殺害した末に失敗。人質男性は報復として殺された。続いて8月には、200日以上拘束されていたスペイン人2人の解放と引き換えに、数十万ドルの身代金をスペイン政府がAQIMに払ったと報じられた。

 米シンクタンクの外交評議会によると、AQIMは90年代に「アルジェリアの世俗政権に対抗するイスラム系の武装抵抗運動」として発足。今ではメンバーの数は数百人に上り、イラクに兵士を送り込むなど、国境を越えた活動を展開している。フランスやスペインなど欧州でも下部組織が確認されている。外交評議会いわく、「より国際的で、組織力と資金力のある組織を目指している」ようだ。

[2010年9月29日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:米国株の調整局面、投資家は「一時的な足踏み」

ビジネス

英企業、来年の賃上げ3%予定 AIによる雇用減懸念

ワールド

防衛費増額は納税者にメリット、装備品からの派生技術

ビジネス

バフェット氏のAI生成偽動画、米バークシャーが警告
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中