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「日本の皆さんのおかげ」──駐日ウクライナ大使館のツイートで生き延びた友人

2022年06月09日(木)15時43分
小林薫(本誌記者)

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購入した革バッグに添えられていた手書きのメッセージ Newsweek Japan

──今、一番心配していることは何ですか?

爆撃に不安を感じています。この戦争で多くの人が住む家を失いました。この先、戦争が続くことでさらに何人の人が命を落とすのかと思うと、やりきれない気持ちです。また、失業によって生計の手段を失うことにも皆、怯えています。

今は仕事がなかなかできず、なんとか働くことができても生産性が著しく低下しています。また現在、黒海とアゾフ海の港を封鎖され、貿易の手段を失っています。そのため、多くの人が仕事を失いました。そんな中でガソリンや原材料が高騰し、生活が逼迫しています。

ウクライナの一般市民が今ただちに求めていることは、ただ1つ。それは爆撃をすぐに止めてほしいということです。そして戦場に行った若者たちが生きて家族のもとに帰ってくることです。

戦争が始まったときは絶望しました。このままでは生活が立ち行かなくなると思ったからです。遠い国で起きている戦争で、私の作品を買いたいという人は誰もいないだろうと思いました。しかし、駐日ウクライナ大使館のツイートをきっかけに、4月は日本からの注文が殺到しました。世界中から注文がありましたが、日本からが一番多く、注文に対応するのも、やっとというくらいでした(笑)。

実は皆さんの注文のおかげで、私の家族だけでなく、ドネツク州の他の三家族も生き延びることができました。また、キーウ近郊にボロディアンカという街があり、そこはブチャと同じく甚大な被害を受けています。そこに私自身が微力ながらも人道支援を行うことができたのです。これも日本の皆さんの支援のおかげです。

比較的安全と言われるキーウですら攻撃され、多くの建物が破壊されています。この戦争が終わった後は、再建には莫大な資金が必要になるでしょう。世界中からの支援、投資が必要です。

また、戦場となった故郷から多くの人が避難民として国内外に散らばっていますが、皆、早く自分の故郷に戻って、そこで働きたいと思っています。ウクライナ人は真面目な人が多いので、必ず国を立て直すことができると確信しています。いつ終わるかわからない戦争ですが、どうかウクライナの復興まで見守ってください。

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