最新記事

ウクライナ

ウクライナ難民の「母親たちのために」...並べられたベビーカーが呼んだ感動

Polish Parents Leave Strollers at Border for Moms Fleeing War-Torn Ukraine

2022年03月11日(金)18時11分
ケイト・ファウラー
ウクライナ難民の母子

プシェミシルの駅に到着したウクライナ難民の母子 Fabrizio Bensch-REUTERS

<幼い子どもを連れてウクライナから避難してくる母親のために、ポーランドの人々が申し出た思いやり溢れる寄付>

ロシアによるウクライナへの侵攻が続き、メディアやネット上に悲惨な写真や動画が溢れるなか、あるカメラマンが撮影した写真が大きな注目を集めている。ウクライナから赤ん坊を連れてポーランドに避難してきた母親たちのために、現地の複数の家族が用意したベビーカーが並んでいる写真だ。

この写真を撮影したのは、フォトジャーナリストのフランチェスコ・マラボルタ。彼は過去12日間、ポーランド、スロバキア、ハンガリーの国境地帯で、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて発生した「難民危機」を写真に記録してきた。

ネット上で拡散されている写真はマラボルタが3月3日に撮影したもので、ポーランドとウクライナの国境地帯にあるプシェミシルの鉄道の駅に、寄付された複数のベビーカーが並んでいる様子を捉えたもの。ここはウクライナのリビウから伸びる鉄道の駅で、毎日ウクライナから逃れてきた大勢の女性や子供が到着する場所だ。そのため、事実上の国境のようになっている。

写真には、駅に7台のベビーカーが並べられている様子が写っているが、マラボルタが本誌に語ったところによれば、駅にはさまざまな物資が続々と届けられている。

プシェミシルの駅に並べられたベビーカー F.Malavolta/Twitter


女性と子供だけで何日もかけて避難

「(現地の)女性たちや複数の団体が、赤ん坊を連れて避難してくるウクライナ人の母親たちのために、ベビーカーを寄付していった。避難してくる多くの女性が、急いで移動する必要性などのため、自分のベビーカーをウクライナに置いて来なければならなかった」とマラボルタは本誌に語り、プシェミシルに到着した多くの女性が、寄付されたベビーカーを利用しているとつけ加えた。

「安全な場所に逃れるため、中には3~4日もかけて移動してきた人々もいた」

国連難民高等弁務官事務所によれば、ロシアによる侵攻を受けて、これまでに約200万人のウクライナ人が国外に避難している。このうち120万人以上をポーランドが受け入れており、その半数近くが子供だという。

ウクライナでは「国民総動員令」のもと、18歳から60歳までの男性は国内にとどまって戦うために、出国を禁じられている。つまり女性と子供たちは自力で国外に逃れなければならず、避難に伴う苦労はいっそう大きくなっている。

戦下の母親たちの悲しい現実が取り沙汰されているなか、マラボルタの写真は、世界中の人々の感動を呼んだ。彼が自分のツイッターアカウントで共有したこの写真は、あっという間にネット上に広まった。あるリポストには、ツイッター上で16万を超える「いいね」がついた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

現状判断DIは前月比0.1ポイント低下の47.6=

ワールド

タイ首相が近く連立協議開始へ、保守派与党躍進で 軍

ワールド

米印貿易協定、二輪車ハーレーの関税免除 EVテスラ

ビジネス

スペースX、月面での「自力発展都市」建設を優先=マ
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    脳裏にこびりつく生々しい証言 少女を食い物にした…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 3

    脳裏にこびりつく生々しい証言 少女を食い物にした…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    シャーロット王女が放つ「ただならぬオーラ」にルイ…

  • 3

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 4

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプの帝国

特集:トランプの帝国

2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える