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まぶたの日焼け止め塗り忘れにご用心! 英で最も多い皮膚がんはまぶたに

2019年04月08日(月)18時00分
松丸さとみ

UVブロック効果のあるサングラスがおすすめ Nadezhda1906 -iStock

<リバプール大学の調査チームはこのほど、従来型の日焼け止め剤と、保湿剤に日焼け止め効果をもたせたもの(乳液タイプ)に効果の違いがあるのかを検証した>

従来の日焼け止め剤 vs 乳液タイプ

日差しが強い季節がやってきた。日焼けは肌によくない、という認識が高まり、最近は乳液タイプやジェルタイプなど、さまざまな日焼け止めが発売されている。にもかかわらず、イングランドではメラノーマと非メラノーマ、いずれの皮膚がんも増えているという。

そこで英リバプール大学の調査チームはこのほど、従来型の日焼け止め剤と、保湿剤に日焼け止め効果をもたせたもの(乳液タイプ)に効果の違いがあるのかを検証した。結果は、科学誌プロス・ワンに発表されている。

日焼け止めを選ぶ際には、「SPF」の数字を必ずチェックするのではないだろうか。SPFは「Sun Protection Factor」の略で、紫外線B波から肌を守る効果が数字で示されており、数字が大きければ大きい方が効果が高い(最大は50)。

リバプール大学の調査では、同じSPFでも、日焼け止め剤の方が、日焼け止め効果のある保湿剤タイプのものより紫外線から肌を守る効果が高いことが明らかになった。また、実験参加者が日焼け止めを顔に塗る際に、乳液タイプの方が「塗り忘れ部分」が多いことも分かった。

まぶたの2割は塗れていない

リバプール大学の眼科学・視覚科学学部の調査チームは、18〜57歳の男女84人(男性22人、女性62人)に参加してもらい実験を行なった。参加者には、SPF30の従来の日焼け止め剤と、同じくSPF30の乳液タイプの日焼け止めを、それぞれ別の日に顔に塗ってもらった。

塗る前と塗った後に、日焼け止めの効果が視覚的に分かる特殊なカメラで顔を写した。リバプール大学の発表文によると、このカメラでは日焼け止めがUVライトを吸収している部分は、暗く写る。つまり、日焼け止めの効果が高く出ていればいるほど、写真では色が黒く見えるという。結果は、乳液タイプよりも日焼け止め剤の方が、肌が全体的に暗く写り、紫外線を吸収していることが分かった。

この結果から判断すると、同じSPFの数字であれば、乳液タイプのものよりも日焼け止め剤タイプのものの方がカバー力が高いということになる。

調査チームはさらに、どれほどまんべんなく塗れているかについても分析した。日焼け止め剤の場合は、「塗りそこなった部分」は平均で顔全体の11%だったが、乳液タイプの場合は17%だった。

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