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アメリカ社会

米政府のサイバー責任者はコンピューター音痴

2014年8月26日(火)16時24分
リリー・ヘイ・ニューマン

 何にしろ、サイバーセキュリティー調整官にはもう少し技術的に熟練した者を探すよう米政府は努力するべきだ。この手の人選ミスは、各国政府にありがちな間違いらしい。イギリスでは義務教育でのプログラミング教育を推進する啓発活動の「イヤー・オブ・コード」の責任者ロッティー・デクスターがプログラミングの素人だったことが判明し、批判された。

「あまりに技術面で専門的過ぎると、技術のほんの些細な部分に気をとられ、かえって問題解決の妨げになる可能性がある」と、ダニエルは言う。確かに、技術とは関係ない政策や政治に関する知識が、ダニエルの仕事で重要な働きをしている部分もあるかもしれない。

 だが、サイバーセキュリティー技術は複雑なものだ。暗号法の背後にあるプログラミングや数学の知識がないと、政府としてどの技術を採用し、推進していくのか評価するのは非常に困難になる。

「本当に必要なのは、広い戦略的な視野を持ち、テクノロジーの長期的な影響を見極めることだ」と、ダニエルは言う。だが自分が採用するテクノロジーがどう機能するのかも分からなければ、それが長期的にどんな影響を及ぼすのか見通すことなど無理な話だろう。

© 2014, Slate

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