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内部告発

NSAで働いたのは最初から暴露が目的だった

米政府の監視活動を暴露した元CIA職員はリークのためにNSAを顧客にもつブーズ・アレン・ハミルトンに就職し、大量の機密情報を入手した

2013年6月26日(水)17時54分
ジェニファー・マットソン

確信犯 望みの情報を手に入れたスノーデンはロシアに入った後、行方をくらませている Courtesy of the Guardian-Handout-Reuters

 米国家安全保障局(NSA)の監視活動を暴露したエドワード・スノーデンは、防衛コ ンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトン(BAH)に就職したのは、BAHの顧客であるNSAの極秘プログラムについて情報収集するのが「唯一の目的」だったと語った。ここ3カ月は、BAHからNSAに出向していた(事件後、解雇)。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは24日、スノーデンは最初からメディアにNSAの監視活動をリークするため計画的に行動していたことを同紙とのインタビューで認めたと報じた。

「ブーズ・アレン・ハミルトンの職で、私は、NSAがハッキングした世界中のパソコンなどのリストにアクセスする権利を得た」と、スノーデンは同紙の6月12日のインタビューに答えている。「3カ月前に私がその仕事を受けることにしたのはそれが理由だった」

 スノーデンは、米政府のコンピューターシステム管理者として勤務する間、「隠された機密文書」を収集していたとも語った。

 スノーデンの所在は現在のところ不明だ。彼は23日に香港を発ってロシアに向かったが、エクアドルに向かうためのモスクワ発ハバナ(キューバ)行きの24日の旅客機には乗らなかった。

世界中で行われる米政府のハッキング

 アメリカ国内でスノーデンを起訴したい米政府は同日、スノーデンの身柄引き渡しに関してロシアに協力的になるよう要請。米政府のジェイ・カーニー報道官は、スノーデンを出国させた中国の決定は「間違いなく」米中関係を損なうと語っている。

 香港を発つ前のサウスチャイナ・モーニングポスト紙とのインタビューで、スノーデンは「世界中」で行われているハッキングについての情報を集めているとし、次のように語った。「ジャーナリストに情報を流す前に、大量の情報を吟味しなければならない」と言い、膨大なデータを手にしていることを伺わせた。

 後日さらにリークを行うつもりだという。

From GlobalPost.com特約

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