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「日陰者」共和党が試される根気と忍耐

オバマ人気の影ですっかり存在感の薄れた共和党は、経済の成り行きをみながらしばらくは地道な「忍耐ゲーム」を続けるしかない

2009年4月22日(水)13時02分
ハワード・ファインマン(ワシントン支局)

春の嵐 納税申告期限の4月15日には全米で集会が開かれた(ワシントンのラファイエット公園で)
Jim Young-Reuters

バラク・オバマ政権がスタートして以来、共和党はすっかりかすんだ存在になっている。私は4月中旬、見習い記者時代に住んでいたケンタッキー州を訪れた。共和党の姿を探すためだ。

 納税申告期限日の4月15日には、州最大の都市ルイビルの中心街の公園で行われた政府の支出増大に抗議する集会「タックスデー・ティーパーティー」に出席した。

 純粋に草の根的なイベントだった。レストランで働く23歳の若者がフェースブックで呼びかけ、1000人以上もの参加者が大嵐のなか集まった。だが参加者の話は、共和党がワシントンで主張するであろう悲観的なテーマの繰り返しだった。オバマと民主党は金遣いが荒く、国を破産させ、残された自由をも奪うというものだ。

 この集会は本当の意味で共和党のイベントではなかった。群衆の半数は、連邦政府のやることなら何でも反対するケンタッキーのへそまがりたち。小さな政府を推進するロン・ポール共和党議員や全米ライフル協会(NRA)が大好きで、政府支出に関しては民主党も共和党も信用しない人々である。

 ケンタッキー州選出上院議員で共和党院内総務のミッチ・マコネルは参加していなかったし、それを残念にも思っていないようだった。こうしたイベントは「完全に否定すべきものではないだろう」と、マコネルは私に言った。キーワードは「完全に」だ。

 もちろんティーパーティーが共和党を復活させるわけではない。それではどうしたらいいのか。党の内部に答えを出せる組織はない。「今のように少数派になったときは、みんなが自分のことしか考えない」と、長年党の顧問を務めるチャーリー・ブラックは言う。

 日常に集中せよ、時間をかせげ、民主党の多数派を分裂させる方法を探せ、大統領の支持率の低下を待て、オバマの予算案や財政支出、計画とは距離を置け----これが共和党の基本戦略だ。「反対ばかり唱える党」とみられてもかまわない。2010年秋までに経済がかなり改善するなら、それはオバマの手柄になる。経済が上向かなければ、非難されるのは大統領だ。「いずれにせよ責任を負うのは彼だ」と、マコネルは言う。

民主党内部分裂の可能性

マコネルは、この退屈で根気のいるゲームに参加する覚悟を決めたようだ。08年11月の上院選の結果が未確定だったミネソタ州では、同州の選挙管理委員会が民主党新人アル・フランケンの勝利を認定したが、彼はこれをなんとかくつがえそうとしている。

 来年にはケンタッキー州で上院議員の改選がある。共和党幹部は、人気のない現職のジム・バニング上院議員に代わって立候補できる有名人を探している。

3兆5000億ドルの政府予算案の審議が最終段階へ進むにつれ、共和党はこうした戦略を駆使しながら、民主党の分裂を画策するだろう。民主党上院院内総務ハリー・リードは下院院内総務のナンシー・ペロシより影響力が小さく、議員が離反する危険は大きい。

オバマが支持率を落とすような決定を下すまで待てばいい、とマコネルは言う。「われわれは本当に今後5年間で借金を倍増させたいのか? 大金を使って政府を大きくしたいのか? 大統領の決定がすべてうまくいくわけではない」

 要するに、共和党員は希望に賭けるしかないということだ。ただ希望はオバマの決まり文句だが。

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