最新記事
宇宙

ダークマターの謎を解くカギは「爆発するブラックホール」...正体解明までもう少し?

Exploding Black Hole Could Crack Mystery of Dark Matter

2026年2月6日(金)11時25分
マリア・アズーラ・ヴォルペ
宇宙のイメージ

宇宙にはまだまだ解明されていない謎も多い(写真はイメージ) khak-shutterstock

<きっかけは2023年の驚異的なエネルギーを伴って地球に近づいたニュートリノだった>

ブラックホールの爆発は、2023年に検出された謎の高エネルギーニュートリノの起源を説明できる可能性があることが判明した。そして、ダークマターの謎にも新たな光を当てるかもしれない。

【動画】NASAが公開した、ブラックホールに吸い込まれた際の光景

2023年、ニュートリノという、ほぼ質量を持たず光速に近い速度で移動する素粒子が、驚異的なエネルギーを伴って地球に到達した。そのエネルギーは、世界最強の粒子加速器である大型ハドロン衝突型加速器が生み出す最高エネルギーの粒子より約10万倍強力だった。


現在、米マサチューセッツ大学アマースト校の物理学者らは、このニュートリノの発生源が、準極限原始ブラックホールと呼ばれる希少なタイプのブラックホールの爆発である可能性があるとしている。

原始ブラックホールは、ビッグバン直後の初期宇宙で形成されたと考えられている。恒星の崩壊によって生まれるブラックホールよりもはるかに小さく、軽い存在である。

これらのブラックホールは時間とともに、ホーキング放射と呼ばれる過程を通じて質量を失っていく。最終的には加熱され、エネルギーの爆発的放出を伴って爆発すると考えられている。

マサチューセッツ大学アマースト校のアンドレア・タム助教授(物理学)は「ブラックホールは軽ければ軽いほど高温になり、放出する粒子の数も増えるはずである」と述べた。

「原始ブラックホールは蒸発が進むにつれてますます軽くなる。結果、さらに高温となり、より多くの粒子を放出する。そして、最終的に爆発に至る。そのホーキング放射こそが、われわれの望遠鏡で観測できるものだ」

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中東情勢関係閣僚会議をあす開催=高市首相

ワールド

中国、燃料価格上限の引き上げ幅縮小 原油高の影響緩

ビジネス

金現物、一時8%下落し4カ月ぶり安値 中東紛争でイ

ワールド

ロンドンでユダヤ系団体所有の救急車放火、憎悪犯罪の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 3
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中