最新記事
生成AI

AI生成の「ネコ顔の花」に騙される人が続出!? ニセ種は少なくとも数百人の手に

2024年7月18日(木)18時30分
茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)
驚く猫

(画像はイメージです)mammela-Pixabay

<「キャッツアイ・ダズル」という架空の花は今年に入って突如ネット上に出現。世界有数のeコマースサイトで種が販売され、数百人が詐欺被害にあった。過去には「青いイチゴ」騒動も──>

「まだまだ日本人が知らない 世界のニュース50」AIで作られた「ネコの顔のようなかわいらしい花」の画像にだまされ、中国から架空の花の種を買った人が大勢いる。

【画像】ふさふさの毛につぶらな瞳、数百人が騙された「ネコ顔の花」

「キャッツアイ・ダズル」と名付けられた花は、2024年に突如出現。1月以降フェイスブックで複数の販売サイトが宣伝され、画像には「ブロメリア科(パイナップルの仲間)の植物」などもっともらしい説明が付いている。偽ニュース検証サイトによると、販売サイトの登録ドメインはいずれも中国・杭州の組織だ。


その後、販売の舞台は世界的なeコマースサイトのeベイやエッツィーに移り、便乗者が現れた。亜種の画像も数多く作成され、少なくとも数百人が買ってしまったらしい。偽物の種はこれまでもネットをにぎわせてきた。

18年に話題となった「青いイチゴ」は、瑠璃色の果実の画像が添えられてアマゾンや個人サイトで種子が売られた。当時は本物のイチゴの写真の色を画像編集ソフトで変更するだけだったが、今回は画像生成AIの発展でこの世に存在しない花の写真が合成された。

Z世代ならば「何となく不自然」なことが分かるだろうが、比較的年齢の高い、AIの知識に乏しい園芸愛好家がだまされてしまったようだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾は31日も警戒態勢維持、中国大規模演習終了を発

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大

ワールド

ロシアの対欧州ガス輸出、パイプライン経由は今年44

ビジネス

スウェーデン中銀、26年中は政策金利を1.75%に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中