最新記事

フェイスブック

新社名「メタ」発表イベントで、ザッカーバーグが使った「ミステイク」という言葉

2021年11月1日(月)16時15分
アーロン・マク
マーク・ザッカーバーグCEO

ライブ配信イベントで「メタ」への社名変更を発表したが…… FACEBOOKーHANDOUTーREUTERS

<何十ものスキャンダルを抱えるなか、「フェイスブック」からの社名変更を明らかにしたが、未来を築こうとすればそれは避けられないと言わんばかりだった。イベントの後半には開発で重んじる原則を列挙したが>

それは、単なる開発者向けのイベントではなかった。

フェイスブックは10月28日に開催したバーチャル・リアリティー(VR=仮想現実)関連のイベントを、自社全体のイメージチェンジの場にしようとしたらしい。

この日、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは、ユーザーがアバター(仮想の分身)を使って交流できる3次元の仮想空間「メタバース」を構築する方針を強調。それに合わせて、社名を「フェイスブック」から「メタ」に変えることを明らかにした。

これにより、ソーシャルメディア・サービスのフェイスブックは、インスタグラムやワッツアップ、オキュラスVRなどと共に、メタ社傘下の一事業と位置付けられる。

1時間半にわたってライブ配信されたイベントは、CGの祭典とでも呼ぶべき華々しいものだった。何十もの大きなスキャンダルを抱えている企業のイベントとは、にわかに信じ難い内容だ。

フェイスブックは9月半ば以降、元社員のフランシス・ハウゲンが持ち出した大量の文書に基づいて厳しい報道にさらされてきた。以下のような問題が指摘されている。

「自社の内部調査により、インスタグラムが10代の少女の心身の健康に悪影響を与えていることが明らかになった」

「21年1月の米連邦議事堂乱入事件の引き金になったようなコンテンツへの対処が遅れた」

「フレンドリーな交流を後押しするという触れ込みとは裏腹に、同社のアルゴリズムで、憎悪や分断をあおるコンテンツが拡散されやすくなっている」といった具合だ。

プレゼンの冒頭で、ザッカーバーグはこう語った。

「今は未来に目を向けるべき時期ではない、と言う人がいることは承知している。いま取り組むべき重要な課題がいくつもあることは、私も分かっている。でも、いつの時期にも目の前の課題がなくなることはない」

そうして続けた。

「未来に目を向けるのにふさわしい時期を待っていても、そんな時はずっと来ないのかもしれない」

さらに「ミステイク」という言葉を使い、未来を築こうとすればそれは避けられないと言わんばかりの話をした。しかし、いま直面している批判の重大性を考えると、「ミステイク」という言葉はあまりに軽く感じられる。

イベントの後半になってようやく、真面目な話題に言及した。

ザッカーバーグは、責任を持ってメタバースを築くために多大な努力を払っていると説明。透明性、安全性、プライバシー、インクルージョン(包摂)など、メタバースの開発で重んじる原則を列挙した。しかし、これらの原則をどのように実践するのかについて詳しいことはほとんど語られなかった。

【関連記事】ピザの注文から出願大学まで、フェイスブックが僕について集めていた全情報

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物下落、ホルムズ海峡巡る日欧声明や米の供給拡

ワールド

EU首脳、中東のエネルギー・水関連施設への攻撃停止

ビジネス

EU、エネ価格高騰で一時的措置検討へ 減税など視野

ビジネス

今年の財貿易伸び1.9%に鈍化、WTO予想 イラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 7
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中