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VRゲーム機の進化を装着して体験せよ

Reality Bytes

2019年7月12日(金)15時30分
モ・モズチ

機種やメーカーを問わず、VRヘッドセットの総出荷台数をできるだけ早く1000万の大台に乗せることがVR業界の目標だとリウは言う。「クエストだけの数字ではないというのが肝心なところだ。ビジネスが回るようにするにはハードのユーザーを増やす必要がある」

ハード面ではバッテリーが2~3時間しか持たないことくらいしか文句をつける点はないクエストだが、やはり弱点は対応するゲームが少ないところ。とはいえ、いいゲームがないわけではない。『ビート・セイバー』は音楽のリズムに合わせて飛んでくるブロックを2本のライトセーバーで切るゲームで夢中になれるし、グーグルの『ティルト・ブラッシュ』は、晴れた夜の森といった美しい場所を背景に、3次元の物体を描いたり作ったりすることができる。『スーパーホットVR』では、映画『マトリックス』よろしく弾丸をよけることだって可能だ。

またリウは、ハード面での長期的なビジョンを達成するためにも、多くの解決すべき課題が残されていると語る。

「10年以内にヘッドセットのサイズを小さくしたい」と彼は言う。「だがすぐに(サイズダウンに)役立つような技術革新はまだ出てきていない」

小型化を目指せば技術的な壁は逆に大きくなるものだ。顔に装着する機器だけに発熱の問題は看過できないし、ヘッドセットが機能するには内部で光が一定距離を移動しなければならないという光学的な問題もある。

そんな技術革新が可能かどうかも、ユーザーが増えてゲームの種類が増え、さらに売り上げが伸びて継続的な投資につながるという好循環が生まれるかどうかに懸かっている。

<本誌2019年7月16日号掲載>

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