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自然の力を活かす林原、トレハロースで世界のフードロス削減と農業課題の解決に貢献へ

2023年10月11日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

トレハロースを自然由来の農業資材として活用、世界の農業課題解決を目指す

さらに、2021年からは食料生産への取り組みも強化し、近年農業分野で注目が高まっている「バイオスティミュラント」へ、トレハロースを展開するための研究を行っている。

バイオスティミュラント(以下、BS)とは、海藻から抽出される多糖類や、植物と共生する微生物などの自然由来の原料を用いた、新しい農業資材だ。植物が本来もつ力を引き出すことで、農薬や肥料の効果を補って、収穫量や品質を維持したり、収穫後の貯蔵性を高めることができる。

バイオスティミュラントへのトレハロースの展開イメージ

バイオスティミュラントへのトレハロースの展開イメージ図

林原はこれまでの研究で、トレハロースには植物本来の免疫力や、環境ストレスへの抵抗性を誘導する機能があることを明らかにしており、BSとしての利用が期待されている。

さらに、トレハロースのもつ細胞を安定化させる機能を、間接的にBSに活用する事例もある。大豆栽培に使われる根粒菌を用いたBS製剤は、長期間常温で保存することができないことが課題だった。しかし、トレハロースを加えることで、根粒菌の保存性を大幅に向上させることに成功。すでに、南米の大豆農家では、この根粒菌製剤が広く普及している。

BSの普及は、化学農薬や化学肥料の使用を減らすことに繋がる。世界の農業において、化学的な農業資材による地力の低下や、農業従事者の健康被害が課題とされているなかでは、林原の功績は大きなものと言えるだろう。

林原が目指す持続可能な食料システム構築への貢献活動

林原が目指す持続可能な食料システム構築への貢献活動

2030年を目標に、人と地球の健康を支える、安全で持続可能な食の普及を進める林原。これからも、トレハロースをはじめとする食品素材の可能性を引き出し、世界の食料システムに変革を起こしていく存在となるはずだ。

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