睡眠時無呼吸症候群を抗てんかん薬で治す
Epilepsy Drug Could Cure Sleep Apnea
睡眠時無呼吸症候群は高血圧や心血管疾患などのリスクを高める FAST-STOCK/SHUTTERSTOCK
<器具を使った治療法が一般的だが既存薬を転用する臨床試験が進んでいる>
▼目次
減量薬による効果も
日本を含め世界各国で抗てんかん薬として使われているスルチアムに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療薬としての応用が期待されている。ヨーロッパで実施された中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者を対象とした臨床試験で、無呼吸の回数が減るといった効果が確認されたという。
SASは、睡眠中に短い呼吸停止が繰り返される病気だ。患者は睡眠中、大きないびきをかいたり、息が詰まり無呼吸状態になる。重症の場合、停止回数は一晩に数十〜数百回に達するという。呼吸の停止は一時的な覚醒や睡眠サイクルの乱れにつながり、昼間に強い倦怠感や眠気を感じる。
SASには、脳から呼吸をつかさどる呼吸筋に適切な信号が送られないために症状が起こるタイプ(中枢性睡眠時無呼吸症候群)もあれば、肥満などにより気道が塞がるタイプもあり、後者をOSAと呼んでいる。
全米睡眠医学会によれば、アメリカでOSAに罹患している成人の数は推計で約3000万人に上り、身近な病気といえる。その一方で、高血圧や心血管疾患、2型糖尿病の発症リスクとの関連も指摘されている。
スウェーデンのイエーテボリ大学などの研究チームは、欧州5カ国の中等度から重度のOSAの患者298人を対象にスルチアムの臨床試験を実施。患者を4つのグループに分け、1つのグループには偽薬を、残る3グループにはそれぞれに異なる用量のスルチアムを投与した。
その結果、スルチアムを多く投与されたグループは、偽薬を投与されたグループに比べ、睡眠中の呼吸停止回数が最大で47%減少。血中酸素濃度など、OSAの症状の重さを示す複数の指標も改善した。副作用は軽度かつ一時的なものにとどまった。
過去に学会などで発表された研究でも、スルチアムの投与量が多いほど効果が高いという結果が出ている。睡眠中の無呼吸の回数は薬の投与量が少ない場合は約18%、多い場合には約50%減少。日中の眠気も改善されたという。





