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温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体

2026年3月15日(日)10時40分
佐野 雅昭 (鹿児島大学水産学部教授*PRESIDENT Onlineからの転載)

美味しいが大量に漁獲できるから安い魚

北海道の周辺海域ではサンマやスルメイカ、サケなどの漁獲量が減少した代わりに、マイワシが激増しています。

サンマの代わりにマイワシを食べれば、食料確保という点では全く問題ありません。マイワシは美味しい魚ですが、大量に漁獲できるぶん、価格が安いです。


ロシア連邦漁業庁によると、2023年の南クリル海域(北方領土周辺)のマイワシ漁獲量は40万トンを超え、日本のマイワシ漁獲量に迫ります。

ロシアはマイワシ資源を有効利用するために操業体制を変え、大型船を導入することで漁獲量を急増させました。ロシアの消費者はこの状況を受け入れ、マイワシとその缶詰を大量に消費するようになったといいます。こうした点は日本も真似たほうがよさそうです。

水産業の新たな展開に政策的投資を

現時点で、安価で栄養価の高いマイワシを多く食べることは賢い消費、環境に調和した消費スタイルと言えるでしょう。

鮮魚消費だけでなく、缶詰や干物などの加工原料として有効利用することも需要の幅を拡大します。それでも利用しきれないほど漁獲されるのなら、高騰する養殖餌料の代替として利用できます。

増え続けるマイワシの生産・流通・加工を繋いだ総合的なサプライチェーンを迅速に整備するほうが、サンマの養殖技術を開発するよりずっと現実的で、社会のためになりそうです。

近年の北海道でのブリ漁業と惣菜加工業の発展は、環境変化に適応した取り組みの好例です。

「海業」などという、食料生産とは縁のない政策に力を入れるよりも、こうした食料産業としての水産業の新たな展開にこそ、政策的投資が向けられるべきなのです。

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