最新記事
健康

冬に気分が落ち込むのは「季節性うつ病」のせいかも? 辛いと感じた時に試すべき対処法7選

Feeling the Winter Blues? New Research Shows What Actually Helps

2026年2月12日(木)17時35分
ジェイミー・バウアー

SADの原因は?

では、SADの原因は何なのか。

まずは日照量の不足だ。研究によると、日光は脳内でのセロトニン生成量に直接影響を与える。そのため、日照時間が減少すると、体内の内部システムは混乱をきたす。

具体的には、体内時計を制御する視床下部は、日照不足によって機能が乱れる。結果、メラトニンが過剰に分泌され、何があっても眠れてしまいそうな感覚をもたらすと同時に、気分を調整する化学物質であるセロトニン生成量が低下する。


次に、活動量の低下だ。SADの場合、運動をしたり外出したりする機会を逃している可能性が高い。午後4時半には暗くなり、外は凍える寒さ。このような状況では、運動や外出は難しいどころか不可能になることすらある。

研究者たちは、今まで好きで行っていた活動ができなくなることが、SADの主因である可能性に気づき始めている。実際、SADに対する認知行動療法は、日照時間の短い季節でも、楽しみや生きがいを感じられる新しい活動を見つけることを支援する点に重点を置いている。

また、ホリデーシーズンであることもSADの原因となりうる。ホリデーシーズンに誰もが楽しい気分になれるわけではないのは、驚くことではない。11月の感謝祭から翌年2月のバレンタインデーまで間、社会的な期待や旅行な家族関係、本心でなくとも「陽気で明るく振る舞う」ことを求められ、文化的圧力を感じるもいるだろう。

家族が地理的にも感情的にも遠くにいる場合や、家族から拒絶されている場合、ホリデーシーズンは孤独感、疎外感、悲嘆を増幅させることとなる。

悲嘆について言えば、大切な人を失ったことがあるなら、冬の祝日はその喪失の痛みを何度も思い起こさせるものとなることがある。

悲嘆とSADは同時に生じ、互いを悪化させることがあるが、臨床的には別個の状態であることを理解することが重要だ。SADの診断基準では、冬季の抑うつ状態がその季節に誰かを失った命日に結びついている場合、それはSADではなく悲嘆であるとされる。ただし、両者が共存し、互いを強め合うことは十分にありうる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

透析・手術用の品目、「安定供給図る体制立ち上げた」

ワールド

トランプ氏、NATOへの関与に否定的発言 集団防衛

ワールド

北朝鮮が固体燃料エンジンの地上燃焼実験、金総書記が

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 10
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中