最新記事
電気代

電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家庭のエネルギーの半分を捨てている日本の家

2026年2月3日(火)18時05分
高橋 彰 (住まいるサポート社長/日本エネルギーパス協会広報室長/一般財団法人 ひと・住文化研究所理事*PRESIDENT Onlineからの転載)

まず最優先に位置付けられているのが、窓の断熱リノベです。

「先進的窓リノベ事業」という2026年度の窓の断熱リノベの補助事業には、1,150億円もの予算がつけられています。

内窓の設置や高性能サッシ、高断熱玄関ドアへの交換に対する補助制度で、補助率も手厚く、工事費の半分程度、最大100万円/戸が補助されます。


内窓設置や壁を壊さずに高断熱サッシに置き換えるカバー工法などが補助対象になっています。

newsweekjp20260128013650.jpg

出典:YKK AP

窓を変えるだけで体感温度やヒートショックリスクを低減し、冷暖房光熱費も劇的に削減されます。

費用対効果がとても大きな投資なのです。

次が給湯器。エコキュートやエネファームなどの高効率給湯機に切り替えることに対する「給湯省エネ事業」という補助事業には、2026年度は570億円の予算がついています。

高効率給湯器に交換することで、家庭のエネルギー消費を大きく減らすことができます。

補助額は、導入する給湯器の種類によりますが、最大17万円(+既存給湯器の撤去費用最大4万円補助)が補助されます。

そして、壁・床・天井等の断熱リノベに対しては、「みらいエコ住宅事業」という補助事業で、断熱リフォームに対しては300億円の予算がついています。

壁・床・天井といった躯体の断熱改修に対する補助制度で、条件によりますが、最大100万円/戸が補助されます。

これらの補助制度は、併用が可能なため、最大200万円以上の補助を得ることが可能です。

(同一箇所のリノベに対する併用は不可)

やるなら"年内"がおススメな理由

こうした大型補助は、永遠に続くわけではありません。

そもそも補助金とは、国や地方自治体が特定の政策目的を実現するために、市場原理だけでは普及が難しいようなものに対して、普及を加速させるために一定期間支援するものです。

実際、例えば、先進的窓リノベ事業は2025年度の補助額は、最大200万円/戸だったのが、2026年度は100万円/戸と大幅に削減されています。

つまり国は、既存住宅の断熱リノベは、普及フェーズに移行しつつある段階にあると認識しているということです。

2027年度以降、補助額はさらに削減されていくものと予想されます。

それだけに、寒い家に辟易していたり、断熱リノベの実施を迷っているのならば、2026年度の補助金を活用して断熱リノベ、省エネリノベをぜひ行ってください。

newsweekjp20260128013750.jpg高橋彰『結露ゼロの家に住む! 健康・快適・省エネ そしてお財布にもやさしい高性能住宅を叶える本』(セルバ出版)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン新最高指導者、新年を「抵抗経済」の年と位置付

ワールド

IRGCコッズ部隊司令官、抵抗戦線を称賛 ハメネイ

ワールド

中国、中東での戦争終結呼びかけ 経済的影響を警告

ワールド

イスラエル軍、テヘランに新たな攻撃開始 イラン「ミ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 10
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中