子どものインフルエンザ感染、主犯人は「距離」ではない──研究が示した学校教室の「意外な原因」
Schools a Hotbed for Flu
どんなに寒くても、教室の頻繁な換気は感染予防に欠かせない DUSAN PETKOVIC/SHUTTERSTOCK
<マスクをさせ、できるだけ距離を取らせている。それでも子どもがインフルエンザにかかる──そんな経験はないだろうか。最新の研究が示したのは、学校における感染の主因が「近さ」ではなく、教室内の空気環境にあるという事実だった。では、空気環境をどう改善すればいいのか。本誌記者でアメリカ担当のジャスミン・ローズが、専門家の見解を交えて解説する。>
▼目次
生徒67人を調査し「教室の空気の質」を研究
長期的には検討すべき投資
求められる「多層的なアプローチ」
生徒67人を調査し「教室の空気の質」を研究
冬の間、学校で子供たちが至近距離で過ごしていたり、教室内の空気の質が悪かったりすると、インフルエンザなどのウイルス感染が拡大しやすくなる──そんな「常識」を改めて確認する研究が、英オンライン学術誌のネイチャー・コミュニケーションズで先ごろ発表され、換気の重要性が浮き彫りになった。
論文の著者でベルン大学(スイス)のルカス・フェンナー教授は「空気の質はインフルエンザに限らず、呼吸器系ウイルスの感染に大きな影響を及ぼす」と本誌に語った。
研究チームは、スイスにある中学校の生徒67人(14〜15歳)を6週間にわたって調査した。生徒が別の生徒と1.5メートル以内の至近距離で過ごした時間は、平均して1日当たり21.2分。他の生徒たちと一緒に教室内で過ごした時間は、同じく5.3時間だった。そして、教室の空気の質が十分でなかった時間は1.9時間に及んだ。





