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「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア

2025年8月1日(金)18時00分
和田秀樹(精神科医)*PRESIDENT Onlineからの転載

「性欲の解消」だけでなく、生きることの喜びや安心感にもつながる

2013年のある調査によると、「この1カ月でマスターベーションを行った」と答えた男性は、40代、50代、60代でそれぞれ80%、69%、45%。いっぽう、女性は43%、23%、14%と答えています。

そして、「マスターベーションをする理由は?」の回答では、男性は圧倒的に「性欲の解消」が多く、女性は「性欲の解消」とほぼ同じ割合で、「やすらぎ」と答えた人がたくさんいました。


男性は「性欲の解消」のために行っている人が多いようですが、女性は性的な快楽だけでなく、体と心を労わるセルフケアの手段として取り入れている人が増えているように見受けられます。

実際、マスターベーションでオーガズムを得ると、大量のオキシトシンが分泌されて不安な気持ちや緊張が緩和され、ストレス解消につながります。

心身をリラックスさせる効果のあるセロトニンや、眠気と覚醒のリズムを整えるメラトニンも分泌されます。

さらに、幸福感や気分の高揚、鎮痛効果のあるβエンドルフィンや、やる気が出るドーパミン、いわゆる脳内麻薬であるアナンダミドなども分泌されます。

このことから、マスターベーションは生きることの喜びや安心感につながる行為ともいえます。

エンドルフィンという快感と幸福感を生み出すホルモンを放出

ところで、オーストラリアのクイーンズランド州政府の保健局がマスターベーションを推奨しているというびっくりな話があります。

その保健局では、2021年11月4日に「健康アドバイス」として、次のような内容の投稿を公式ホームページで行っているのです。

「マスターベーションをしたり、オーガズムを得たりすることはエンドルフィンという快感と幸福感を生み出すホルモンを放出する。エンドルフィンはストレスに対する我々の反応を制御し、最終的には気分を改善し、我々を落ち着かせるはたらきをする」と。

そして、「自分自身に手を貸そう」という投稿の出だしには、手とウィンクの絵文字が付いていて、マスターベーションが健康にどういいのかを列挙したカラフルなインフォグラフィックも添えられています。

なんともはや、日本の現状と比べると隔世の感がありますね。

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