「長すぎるスマホ」に影響を受けやすいのは女の子だった...「スクリーン時間」に警戒すべき理由とは?【最新研究】
The Screen Time Effect

スクリーン時間が長い子供は、不安、抑鬱、攻撃性、自己肯定感の低下を経験しやすい OLGAOTTO/SHUTTERSTOCK
<29万2000人超の子供たちを対象とした、117件の研究を通して明らかになったことについて>
子供がスクリーンの前で長時間過ごしすぎると、感情と行動に問題が生じるリスクがある?
先頃、アメリカ心理学会の学術誌「心理学紀要(Psychological Bulletin)」に掲載された論文によると、テレビやデジタル機器を使用する時間が長い子供は、不安、抑鬱、攻撃性、自己肯定感の低下などの問題を経験している確率が極めて高いという。
同論文は、このテーマを取り上げた世界の117件の研究を分析したものだ。117件全て合わせると、10歳未満の子供たち29万2000人超が研究対象になった。
「娯楽や学校の宿題、友達への連絡など、子供がスクリーンの前で過ごす時間は長くなる一方だ」と、論文の共著者の1人であるクイーンズランド大学(オーストラリア)のマイケル・ノーテル准教授はコメントしている。
論文によると、全般的な傾向は明白だ。スクリーン時間が長い子供ほど、感情面もしくは行動面で問題が生じる確率が高い。その一方で、既に感情面の問題に苦しんでいる子供ほど、ゲームなどでスクリーン時間が長くなる傾向があるという。
ただし、具体的なパターンは年齢によって異なる。6~10歳の子供は、0~5歳の子供に比べて悪影響を受けやすい。
性別の面では、スクリーン時間が長い女の子は概して、男の子よりも感情面の問題を経験しやすい。それに対し、既に感情面の試練に直面している場合にスクリーン時間が長くなりがちなのは、男の子のほうだ。