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メーガン妃への「悪意ある中傷」を今すぐにやめなくてはいけない理由

The Vicious Campaign Against Meghan Markle Must End | Opinion

2025年6月29日(日)08時50分
クリストファー・バウジー(テック起業家)

今回のダンス動画は、その状況を端的に示したものだ。出産を促すための、母親であれば共感できる微笑ましい瞬間だったはずが、数時間後には陰謀論者の「証拠映像」となった。

陰謀論者は腹部の動きに注目して「人工腹だ」と主張し、点滴を見ては「医療知識」を振りかざした。歓びの瞬間は、すぐに武器に変えられた。


これは普通の批判ではない。精神を破壊するための心理的拷問だ。しかも、これは偶発的な悪意でもない。メーガン妃の苦しみが誰かの利益になるなど、組織的かつ金銭化を伴っている。

YouTubeではメーガン妃の妊娠を「偽装」とする動画が何百万ドルもの収益を上げ、イギリスのタブロイド紙は彼女を攻撃することで読者を獲得している。

SNSのインフルエンサーは、メーガンを叩けば他のどんなコンテンツよりも稼げることに気づいた。メーガン妃へのヘイト(憎悪)が最も収益性の高いビジネスになっているのだ。

ネット上の攻撃は現実世界でも深刻な脅威へとつながっている。イギリスのテロ対策の元責任者は、メーガン妃が極右過激派から「うんざりするほどリアルで卑劣な脅迫を受けていた」と明かしている。

実際に陰謀が複数確認され、殺害予告で逮捕者も出ている。新米ママとして母親業をこなす傍らで、ネット上の憎悪と本物のテロの脅迫の影で生きてきた。

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