最新記事
健康

寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】

Scientists Reveal Simple Trick for a Longer Life

2024年8月12日(月)12時35分
パンドラ・デワン
階段

StockSnap-pixabay

<短時間の身体運動であっても、健康によい影響がある。その方法とは?>

階段を使用することで血行が促進されることは知られているが、定期的に階段を上ることが寿命を延ばすことに役立つ可能性があることが最新研究で明らかになった。

「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)」のデータによると、アメリカ人の約4人に1人が運動不足であるという。このような運動不足は通勤や座り仕事、またはエレベーターの使用などが原因になっていることが多い。

デスクワークなど座りがちな生活があらゆる原因による死亡リスクを増加させ、心臓病、糖尿病、肥満、大腸がんやうつ病のリスクが高まることも多くの研究が示している。

【関連動画】正しい階段の上り方 を見る


しかし、ほとんどの人にとって運動不足はあえて選択しているわけではない。

仕事や家庭生活に時間が奪われる中、ランニングをしたりジムに通うことは難しいかもしれない。しかし、日常生活に運動の一部を取り入れることは可能だ。その1つが階段を使うことである。

英イースト・アングリア大学とノーフォーク・アンド・ノリッチ大学病院の心臓病専門医であるソフィー・パドック医師は次のように述べる。

「階段とエレベーターのどちらかを選べるのであれば、心臓のために階段を選んでください。短時間の身体運動であっても健康によい影響があり、階段を登るという短時間の運動は、日常のルーチンとして取り入れやすい目標になります」

パドック医師とチームは階段を上ることと健康効果に関する9つの異なる研究から、35歳から84歳までの健康な人と心臓病の既往歴のある計48万479人のデータ分析を行った。

すると定期的に階段を上ることで、あらゆる原因による死亡リスクを24%減少させ、心血管疾患で死亡する可能性を39%低下させることが判明した。また、心臓発作、心不全、脳卒中など心血管疾患の発症リスクも低減した。

当然、誰もが階段を使うことが可能なわけではないが、身体を動かすことができる人にとっては、体全体と心臓の健康を改善するためのよい方法である。

「日常生活に階段を上ることをお勧めします。より多くの階段を上ることで、大きなメリットを得られる可能性があることを私たちの研究は示唆しています。職場、自宅、その他どこでも階段を使ってください」

この研究は、2024年欧州予防心臓病学会議(ESC)で発表されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、ダウ249ドル安 トランプ関税

ワールド

トランプ氏、シカゴへの州兵派遣「権限ある」 知事は

ビジネス

NY外為市場=円と英ポンドに売り、財政懸念背景

ワールド

米軍、カリブ海でベネズエラ船を攻撃 違法薬物積載=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 6
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 7
    トランプ関税2審も違法判断、 「自爆災害」とクルー…
  • 8
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中