最新記事
投資

投資に役立つ考え方「DCF法」に慣れよ...辞めゴールドマンが明かす「富裕層の知恵」

2025年2月26日(水)10時55分
田中 渓

ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法

『億までの人 億からの人』より

たとえば、あなたが毎年100万円の利益を生み出すビジネスをしていたとして、「このセミナーを受講すれば5年間に亙って年10%売り上げを伸ばします」というビジネスセミナーがあったとします。

そこでDCFを用いてそのビジネスセミナーの現在価値を計算します。割引率を2%として簡略化すると以下のようになります。

何もしなければ5年間の利益総額は500万円(①)、セミナーを受講すると年10%の複利により利益総額は約672万円(②)。

それらを、それぞれ割引率を用いて「現在価値」に引き直すと、セミナーなしでは約471万円(③)、ありだと約631万円(④)となりますので、その差額を「今日の」セミナーのフェアバリューとするなら631万円-471万円=約159万円(千円以下は四捨五入)という計算になるわけです。

したがって「そのセミナーなら100万円支払ってでも受けたほうがいい」という投資の意思決定ができるのです。

これは話を簡略化するために省略していますが、実際は6年目以降もこのセミナーを受講したことによって生じた差が続くため、その永続的な価値も評価する必要があります。

興味がある方は「DCF」や「ターミナルバリュー」というキーワードで検索していただければと思います。この概念まで取り入れると、理論上はこのセミナーは「3,000万円以上払ってでも受講する価値がある」となります。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

赤沢経産相、中国に強い懸念と適切な対応要請=ネクス

ビジネス

ブルガリア、ユーロ導入で一時的な物価上昇も=ECB

ビジネス

KKR、今年のPE投資家への還元 半分はアジアから

ビジネス

ニデック、信頼回復へ「再生委員会」設置 取引や納品
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中