『ストレンジャー・シングス』は「実話」に基づいていた?...一般人をも「洗脳」したCIAの暗黒作戦
All the Eerie Real-Life Events ‘Stranger Things’ Is Based On
MKウルトラ計画(MK-ULTRA Program)
『ストレンジャー・シングス』の陰鬱な背景の多くは、実在したCIAの洗脳プロジェクト「MKウルトラ計画」に基づいている。この計画は1953年から1964年にかけて実施され、人間の精神を化学的・生物学的・心理的手法で操作する方法を探ることを目的としていた。
この計画を主導した科学者シドニー・ゴットリーブは、作中で主人公イレブンの能力を監視する冷酷な科学者マーティン・ブレンナー博士(マシュー・モディーンが演じる)と比較されることもある。
ブレンナー博士と同様、ゴットリーブは「精神の支配こそが世界支配につながる」と信じていた。特に彼が執着したのは、薬物を使って「自白剤」を開発することや、念力(サイコキネシス)の能力を引き出すことだった。
彼の実験はTHC(大麻の有効成分)やコカイン、ヘロインといった薬物から始まった。しかし、当時まだ発見から13年しか経っていなかったLSDに出会うと、彼はその強烈な作用に取り憑かれていく。
LSDは、自発的な被験者だけでなく、事情を知らされていない人々にも投与された。目的は、人間の精神を打ち砕き、完全な服従を引き出すことだった。
CIAはこれを単なる科学ではなく、「戦争」と捉えていた。ゴットリーブ自身はMKウルトラ計画を、ソ連による「精神戦(brain warfare)」の進展に対するアメリカ側の防衛策と位置づけ、自らの非倫理的な行為を正当化していた。






