最新記事
歴史

『ストレンジャー・シングス』は「実話」に基づいていた?...一般人をも「洗脳」したCIAの暗黒作戦

All the Eerie Real-Life Events ‘Stranger Things’ Is Based On

2025年12月25日(木)19時39分
メリッサ・フルール・アフシャー

MKウルトラ計画(MK-ULTRA Program)

『ストレンジャー・シングス』の陰鬱な背景の多くは、実在したCIAの洗脳プロジェクト「MKウルトラ計画」に基づいている。この計画は1953年から1964年にかけて実施され、人間の精神を化学的・生物学的・心理的手法で操作する方法を探ることを目的としていた。

この計画を主導した科学者シドニー・ゴットリーブは、作中で主人公イレブンの能力を監視する冷酷な科学者マーティン・ブレンナー博士(マシュー・モディーンが演じる)と比較されることもある。

ブレンナー博士と同様、ゴットリーブは「精神の支配こそが世界支配につながる」と信じていた。特に彼が執着したのは、薬物を使って「自白剤」を開発することや、念力(サイコキネシス)の能力を引き出すことだった。

彼の実験はTHC(大麻の有効成分)やコカイン、ヘロインといった薬物から始まった。しかし、当時まだ発見から13年しか経っていなかったLSDに出会うと、彼はその強烈な作用に取り憑かれていく。

LSDは、自発的な被験者だけでなく、事情を知らされていない人々にも投与された。目的は、人間の精神を打ち砕き、完全な服従を引き出すことだった。

CIAはこれを単なる科学ではなく、「戦争」と捉えていた。ゴットリーブ自身はMKウルトラ計画を、ソ連による「精神戦(brain warfare)」の進展に対するアメリカ側の防衛策と位置づけ、自らの非倫理的な行為を正当化していた。

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国SMIC、第4四半期は60.7%増益 予想上回

ビジネス

米関税、ユーロ圏物価を下押し 利下げで相殺可能=E

ビジネス

フランス産ワイン・蒸留酒輸出、貿易摩擦の影響で3年

ビジネス

韓国当局、個人情報流出のクーパンにシステムの脆弱性
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 10
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中