今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...原因となる「ネットフリックス依存症」とは?
Korea’s Netflix Effect
構造破壊は配給面でも起きている。ネットフリックスは従来の放送局やケーブル局に取って代わり、韓国作品の支配的な配給元になった。参入以来、配信サービス分野で王者の座を維持し、20年の収益は3億5600万ドル。昨年は6億2900万ドルに増加した。
反対に、韓国の放送局や放送網は低迷期を迎えている。視聴者がデジタルメディアに移行するなか、20年にピークに達したテレビの平均視聴時間は、その後の3年間で24.8%減少。韓国広告市場での放送局のシェアは同期間に、24%から17.6%に下がった。そのせいで、ネットフリックスへの依存は高まる一方だ。
若手の才能が育たない
資源が減る放送局はドラマの放送本数を縮小している。19年に韓国でテレビ放送されたドラマは109作だったが、23年までに77作に減少した。
対照的に、ネットフリックスはオリジナル制作・共同制作したり、独占配信権を取得する韓国作品を着実に増やしている。非アメリカ作品上位500タイトルのうち、韓国作品が占める割合は17%だ。
広がる依存の構図は、作品の多様性をめぐる懸念を招いている。配信サービス王者の求めるスタイルや商業性が重視されるなか、作品が画一化し、活力ある創造性が損なわれると批判派は警告する。