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「毛皮は殺戮」の時代は終わった...今年の秋冬はファーが熱い! 右翼も左翼も、毛皮が「最高の自己表現」に?

Fur Is Back!

2025年6月18日(水)14時23分
クリスティーナ・コーテルッチ(スレート誌記者)

スローライフにも貢献

動物権利擁護団体の完全な勝利だ。彼らは長年、店舗やショー会場の外で抗議活動を繰り広げ毛皮の生産や着用を非難してきた。

最も激しく糾弾したのは新たに生産されるリアルファーだが、フェイクや中古品でも、おしゃれだから自分も(本物を)欲しいと思わせかねないとして着用を控えるよう呼びかける団体もある。


フェイクと本物のどちらが環境に悪いのか。多くのフェイクファーの原料である石油由来の化学繊維はマイクロプラスチックを排出し、製造過程で有害な汚染を引き起こし、化石燃料の世界的な需要を支えてしまう。

一方、肉食性のミンクの飼育は合成繊維を製造する以上に気候に悪影響を及ぼす。天然の毛皮のコートのほうが気候変動への影響が少ないのは、フェイクファーのコートの4倍長く着た場合だけとの分析結果もある。

しかし、今回の復活劇はフェイクファーがメインで、こうした計算は的外れだ。

政治的右派も左派も「毛皮は殺戮」という誹謗中傷の時代は終わったと断言している。

高級品専門のオンラインマーケットプレイス「ファーストディブス(1stDibs)」の編集長はニューヨーク・タイムズに、毛皮は右翼にとっては「PC(政治的正しさ)後の世界」における新たな自由の象徴、左翼にとっては持続可能性の正当性の証しだと語った。毛皮を着て出歩ける時代が来たのだ。

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