最新記事
アニメ

「次世代に伝える価値がある」新作アニメ『X-MEN '97』の売りはノスタルジーだけじゃない

More Than a Nostalgia Trip

2024年4月22日(月)17時53分
サム・シールマン
サイクロップスとX-MENのメンバーたち

カムバック 新シリーズでもX-MENはほかの超人ヒーローとひと味違う DISNEY+─SLATE

<ほかの超人ヒーローと何が違う? 1997年に終わった大人気シリーズが21世紀仕様にパワーアップして帰ってきた>

新作アニメの『X-MEN '97』は、誰のためのものなのか? その答えは、第1話が始まってすぐに分かる。

若い超能力ミュータントのロベルト・ダ・コスタを捕らえようとするギャングに勝利したX-MENたち。家に帰るとレミー・ルボー(コードネームはガンビット)が、おへその見えそうなピンクのチビTシャツを着て、キッチンで陽気にお菓子を揚げている。

3月からディズニープラスで独占配信されているこのアニメは、そのスタイルや一部の声優、主題歌までが、1992年から始まったオリジナル版と重なる。マーベル・コミックスがシリーズを刷新するのでは、と気をもんでいた人がいたなら心配は無用だ。

この作品は、タイトルにある記念すべき年へのノスタルジーあふれる旅だ。97年はFOXキッズの『X-MEN』シリーズが終わった年で、新しいシリーズはそれと全く同じ場所から始まる。

X-MENはほかの超人ヒーローとは違う。超愛国的でもないし、犯罪と闘う際に全く手段を選ばないということもない。この作品のキャラクターは冗談を言い合ったり、片思いしたり、いがみ合ったり、仲直りしたり、結婚したり、時には死んだりする。

63年に始まった『アンキャニィX-MEN』は、マーベルのクリエーターであるジャック・カービーの代表作の中で最も地味だろう。94話からは、ライターのクリス・クレアモントが引き継いだ。

クレアモントはアーティストのデーブ・コックラムと共に、それまでスーパーヒーローたちの学校の物語だったものを、はるかに面白い作品に作り直した。彼は登場人物をライバル同士に仕立てたり、片思いさせたりもした。92年のオリジナル版は、クレアモントの初期の膨大な物語をテレビ向けに脚色したものだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中