最新記事
ファッション

米女優ジリアン・アンダーソン、「女性の陰部」を刺繍したドレスでゴールデン・グローブ賞に登場して物議

Gillian Anderson's Shocking Golden Globes Dress Prompts Debate

2024年1月12日(金)18時43分
ビリー・シュワブ・ダン

1年半前には、米最高裁判所がロー対ウェード判決を覆し、ドミノ効果が起きた。最高裁判所だけでなく複数の州が、合法的な中絶の禁止や大幅な制限に舵を切ったため、米国の女性や少女は今、権利の抑圧がどんどん大きくなる事態に直面している(アンダーソンが、自身のドレスにこの問題に対する何かしらのメッセージを込めていたのかは分からないが)。

アンダーソンのドレスの選択は、SNSで議論を巻き起こしている。多くの人はアンダーソンとドレスへの愛を表現し、刺繍をいかに支持しているかを強調した。

アンダーゾンを絶賛した一人が、ソーシャルメディアのスターであるミア・ハリファであり、「ドレスにズームイン」するようフォロワーたちに呼び掛けた。別のXユーザーは、「ジリアン・アンダーソンのドレス姿はとても魅力的だが、よく見ると、そこには何か、指を入れては、いや、指で触れてはいけないものがある」と語っている。

ほかにも「ジリアン・アンダーソンのドレスに女性器が...彼女は最高だ」「彼女は私の最愛の人」などの称賛の声が上がった。

「ばかばかしい」「人気は下火」「悪趣味」と批判も

しかし、すべての人がアンダーソンのドレス選びに感銘を受けたわけではない。ある人物はXに、「ばかばかしい、哀れだ。完全なジョークだ。そして...誰も気にしていない」と投稿している。

ほかにも「もうすっかり過去の人だ。『X-ファイル』のあと、人気は下火になっている」「彼女が自己主張できるよう、彼女の小作人たちが150時間かけて(彼女がそう呼んでいるものの)刺繍を施したのは、たしかによかったと思う」「品がない」「悪趣味」など辛辣な声もあった。

アンダーソンは2023年12月、英国ロンドンのギャラリー「ソーホー・レビュー」で、「アート・オブ・プレジャー(快楽のアート)」というイベントを開催した。アンダーソンのウェルネスブランド「Gスポット」と、女性の性と生殖の健康に取り組む団体「ウェルビーイング・オブ・ウィメン」のパートナーシップを記念したイベントだった。

デイリー・メールによれば、アンダーソンはこのイベントで、「ウェルネス業界の枠にとらわれない型破りなやり方で、つまり、恥ではなく自己表現であるという思いを込めて」Gスポットを立ち上げたと説明している。

アンダーソンはさらに、このブランドの主な目的は女性の快楽を後押しすることだと語っている。「もし女性たちが自分のニーズを優先する時間を持つことができたら、世界はどれほど違って見えるだろう」とアンダーソンは問い掛けた。「今より多くのエネルギー、インスピレーション、ポジティブさが生まれ、そして、それをほかの人たちに伝え、助けになる力が生まれるはずだ」

2024年のゴールデン・グローブ賞では、クリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』が、作品賞をはじめとする5冠に輝いた。また、HBOのドラマ『メディア王~華麗なる一族~』も4冠に輝いた。
(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾閣僚、「中国は武力行使を準備」 陥落すればアジ

ワールド

米控訴裁、中南米4カ国からの移民の保護取り消しを支

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 8
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中