最新記事

エンターテインメント

ネットフリックス、「イカゲーム」で予想上回る契約数の伸び ライバルはTilTokなどSNSへ拡大

2021年10月20日(水)10時36分
ネットフリックスのリード・ヘイスティングスCEO

ネットフリックスが発表した第3・四半期の契約件数は、「イカゲーム」人気が呼び水となり予想を超えて増加。投資家向けのビデオレターにリード・ヘイスティングスCEOは「イカゲーム」と同じジャージ姿で登場した。Netflix Investor Relations / YouTube

米動画配信サービス大手ネットフリックスが19日に発表した第3・四半期(7─9月期)の契約件数は、韓国のホラー番組「イカゲーム」人気が呼び水となり、438万件増の2億1360万件と、予想を超えて増加した。

ネットフリックスの契約件数は2020年は新型コロナウイルス感染拡大を受けた「巣ごもり消費」需要で増加したが、21年上半期に入ってから伸びは鈍化。ただ、9月17日に配信を開始したイカゲームが大ヒットしたことで、伸びが再び上向いた。

イカゲームは、借金を抱えた主人公らが賞金と生き残りをかけて競うストーリーで、配信後1カ月で1億4200万世帯が視聴したという。94カ国を対象にしたネットフリックスの視聴数チャートのトップに躍り出た。第4・四半期もイカゲーム効果は続くとみられている。

ネットフリックは、新作品をリリースするペースが加速することから、新規契約件数は年末までに850万件増加すると予想。市場予想(833万件)より強気の見通しを示している。

第3・四半期決算は、希薄化後の1株当たり利益が3.19ドル。アナリスト予想は2.57ドルだった。売上高は16%増の75億ドル。

同社は2022年の配信作品について、コロナ感染の新たな波や想定外の問題が起きない限り、年間を通じて偏りのない「より正常な」ラインアップに戻ると予想。

また、視聴データを公表する頻度を増やし、1つの作品を最低2分視聴したアカウントの数を集計する現在のデータに代わり、視聴時間を中心に開示するとした。

同社の競合相手はテレビ局だけでなく短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や人気ゲーム「フォートナイト」などに広がっていると指摘し、今月上旬にフェイスブックの交流サイト(SNS)にシステム障害が発生した際は、一時的にネットフリックスの利用が14%増えたと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ネットフリックスが発表した第3・四半期の投資家向けIR動画。 Netflix Investor Relations / YouTube

【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米11月ISM非製造業指数、52.6とほぼ横ばい 

ワールド

EU、ウクライナ支援で2案提示 ロ凍結資産活用もし

ワールド

トランプ政権、ニューオーリンズで不法移民取り締まり

ビジネス

米9月製造業生産は横ばい、輸入関税の影響で抑制続く
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 6
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中