最新記事

自己啓発

賢い人はそう答えない......「相手をがっかりさせる人」が会話の初め5秒でよく言う言葉とは

2022年1月10日(月)17時20分
樋口裕一(多摩大学 名誉教授) *PRESIDENT Onlineからの転載

私はこれまで、さまざまな講演会に呼ばれたが、そういう場ではたいてい最後に質疑応答の時間がある。講演内容をさらに掘り下げる鋭い質問を受けることもあるが、ときに予期せぬ質問や少々的外れな質問のケースもあり戸惑う。

そのようなときどうするかというと、自分が得意とする「日本語」「話し方」といった内容に強引に引っ張り込み、答える。

自分の土俵に話を持ち込み、そこで私にしかできない視点で話を掘り下げることで、私独自の視点からの話題を提供することができると、聞き手も満足してくれる。

ビジネスのプレゼンの場などでも、同じことがいえるだろう。自分の得意分野に引きつけて答えることが、アピールにつながるのだ。

「自分も、相手も得をする」がベスト

「頭のいい人は「答え方」で得をする」一尋ねて一答えてもらうのは、相手は当たり前だと思っている。しかし、一尋ねて意外な「切り口」から答えをもらうと、相手は「得した」と思うものだ。相手が得だと感じるのだから、そう思わせた答えた側はもっと得をする。

うまく答えただけで、「なかなか鋭いじゃないか」「おもしろいことを言う人間だ」と、思わせることができるのだ。

「切り口」は無数に存在する。そのどれに焦点を当てるかで、答えの質は大きく変わる。

ただ、「切り口」があまりにも偏った目線だったり、独創的すぎると、「聞きたいのはそういうことではないのだが......」と相手を困惑させてしまうので注意が必要だ。


▼どんな質問も自分の持ちネタに引き寄せれば、的確な答え方ができる。
▼シンプルな「ジャンル」答え→オリジナリティあふれる「切り口」答えへ。

樋口裕一(ひぐち・ゆういち)

多摩大学 名誉教授
1951年、大分県に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。仏文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、小学生から社会人までを対象にした小論文指導に従事。通信添削による作文、小論文専門塾「白藍塾」塾長。著書は『頭のいい人は「短く」伝える』(だいわ文庫)、『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)など多数。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中