最新記事

株の基礎知識

初心者が知らない、勝ち続ける投資家が必ず守る「ルール」

2021年9月7日(火)13時50分
岡田禎子 ※かぶまどより転載

■「株価が20%上がっても売らない」

保有している株をいつ売るかの判断は、個人投資家にとっていちばんの悩みでしょう。本来、株式を購入する時点で「買値から◎%上昇したら利益確定する」などの出口戦略を決めておくことが、損失を避けながら着実に利益を積み重ねるための重要な手順です。

しかし、常にその方法を取っていては、たしかに損失は抑えられるものの、その反面、大きな利益を得ることが難しいのも事実。どんどん上昇していく株価を横目に「売らなきゃ良かった......」という後悔ばかりが募って、相場に向き合うのが嫌になるかもしれません。

●日本郵船<9101>

2021年2月に2018年の高値を突破した後、25日移動平均線を明確に下回ることなく高値を更新し続けている日本郵船<9101>(2021年8月13日現在)。

kabumado20210906success-chart3.png

このように株価が新高値を更新してどんどん上昇している場合、どこでピークアウトするかは誰にもわかりません。上昇途中で売却してしまったら、その後の上昇分の利益を得ることができずに終わってしまうのです。では一体、どうすればいいでしょうか?

個人投資家のDさんが実践しているのは、「上ではなく下を決めておく」という方法。

まず、買いに入る前に「買値から◎%下落したら損切り(ロスカット)する」というラインを決めておきます。そして、その価格での「逆指値注文」を出しておきます。もし株価が下落したらその価格で自動的に売却され、損失の拡大を防ぐことができます。

そのうえで、思惑どおりに株価が上昇した場合には、それに合わせて逆指値注文の価格を引き上げていきます。この手法をトレイリングストップと言います。こうすることで、利益を最大限に伸ばしながらも、万が一どこかの時点で株価が急落した場合でも、そこまでの利益はしっかり手にできるのです。

決して思い通りにはならない相場で戦う以上、自分の設定したラインではなく、相場の行方に素直に従って利益を追求していくこともまた、株式投資で利益を重ねるためには大切な手法です。ただし、リスク管理を徹底しなければならないことは言うまでもありません。


相場のことは相場に聞け──古い相場格言

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中