人民元の国際化に弾み、背景には習近平の野望とトランプ不信
China Dreams of Challenging US Dollar Supremacy
中国の金融機関は先進国と比べて脆弱であり、政府は人民元の国外流出に厳しい制限を設けている。為替レートは市場に委ねられず、通貨価値は当局によって管理されている。
管理された為替体制の下で人民元安が維持され、中国の輸出価格は低く抑えられてきた。その結果、米国の対中貿易赤字が拡大してきたとの指摘もある。
この管理体制は中国を保護する一方で、強力な準備通貨としての人民元の国際的な魅力を損なってきた。中国共産党が何より重視しているのは国内の安定なのだ。
もっとも、中国政府は最近、再び人民元の国際的役割を積極的に拡大しようとしているようだ。中国ウォッチャーによれば、こうした動きの背景には、不確実性を増す国際情勢と、ドナルド・トランプ米大統領の下でのドル基軸の金融秩序の安定性への疑念がある。
習は2024年の演説で、準備通貨としての地位を備え、国際貿易や投資、外国為替市場で広く利用される「強力な人民元」を構築すべきだと述べた。この発言は、今年の1月31日に共産党の理論誌『求是』に引用され改めて注目を集めた。
「中国から見れば、2024年の習の演説を再掲するには絶好のタイミングだった。米FRBの信認が揺らぎ、米国と日本が為替協調介入を行ったほか、トランプのドル安発言や地政学的混乱もあった。世界の投資家の間ではより広範な『ドル安容認政策』への思惑が広がっているからだ」と、英調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、ケビン・ラムはリンクトインへの最近の投稿で述べた。





