最新記事
日本経済

「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗り越えてきた奇跡と「様相が一変した」理由

2025年12月16日(火)09時00分
海老原嗣生 (雇用ジャーナリスト、大正大学客員教授)

1. 衰退産業からの人材受け入れ
2. 女性の労働参加
3. 高齢者の就業継続

1の「衰退産業」には「工場の海外移転が続いた製造業」「公共事業予算の削減で縮小した建設業」「規模集約による効率化や輸入への依存が強まった農業」の3産業が入ります。製造業は約400万人、建設業が約200万人、そして農業が約150万人と3産業トータルで800万人近くの人材が他産業へ供給されました。

続いて2の女性と3の高齢者ですが、こちらは非正規雇用での受け入れが中心となりました。1996年から2020年までの間に女性が約600万人、高齢者は約500万人も就業者を増やしています(女性・高齢者での重複カウントが含まれる)。

その結果日本は、生産年齢人口が減る中で、総就業者数は逆に増えていたのです。ただ、こうした過去の労働力補填の成功が色濃く記憶に残るため、日本の企業はこれから迎える絶望的な人材不足に対しても、甘く考えている傾向があります。

ここではっきりと書いておきます。

1995年から続いてきたこの労働シフトは、もう全く通用しない時代になりました。

衰退産業の就業者数

『外国人急増、日本はどうなる?』(PHP新書)62ページより

衰退産業からの流出は底打ち反転し、人材不足に悩む

まず、衰退産業の就業者数(図表⑨)をご覧ください。3産業とも、とうの昔に就業者数が底を打ち、昨今は横ばいからやや増加に転じています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

IEA、過去最大4億バレルの備蓄放出を勧告 全会一

ワールド

イラン、W杯「参加できない」 最高指導者殺害で=ス

ワールド

トランプ氏、イランの標的「ほぼ残らず」 戦闘近く終

ビジネス

米CPI、2月前年比+2.4%上昇 3月のインフレ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 9
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 7
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中