最新記事
日本経済

「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗り越えてきた奇跡と「様相が一変した」理由

2025年12月16日(火)09時00分
海老原嗣生 (雇用ジャーナリスト、大正大学客員教授)
日本の食品工場

人口減少は今に始まったことではない。なぜ今、人手不足が顕在化しているのか。どこで人手不足が起こっているのか(写真は本文と関係ありません) Princess_Anmitsu-shutterstock


<「不法滞在者が増え、犯罪を犯している」「外国人が日本の年金・医療にただ乗りしている」などと騒がれるが、実際はどうなのか。雇用の専門家である海老原嗣生氏が、日本の労働市場の現状から、外国人労働者をめぐる制度の仕組み、課題までを扱った新刊『外国人急増、日本はどうなる?』(PHP新書)より一部を抜粋する>

※シリーズ第1回(全4回)

非ホワイトカラー職務で絶望的な人手不足が起きている

「外国人なんて日本には要らない」「企業が安い人件費で儲けるために外国人を雇っているだけだ」。こうした話が声高に叫ばれています。確かに過去にはそういう側面があったことは否めないでしょう。ところが現在は、全く様相を異にしています。
『外国人急増、日本はどうなる?』
製造・建設・サービス・販売・宿泊業などの非ホワイトカラー職務では、もうどうしようもないほどの、過去とは次元の異なる人手不足が起きています!

【海老原嗣生氏に聞く】YouTube対談を見る
>>>【異次元の人手不足だが】外国人+AI活用でも厳しいが大卒は人余り/高市政権、労働規制緩和の愚策/低生産性の戦犯は"うるさい社会"/AIで仕事消失のウソだが事務職は危険/ブルーカラー・ビリオネアの幻想

確かに日本は2010年(統計の取り方によっては2008年)から、もう15年も人口減少が続いています。15~65歳までのいわゆる働き盛りの年齢(=生産年齢)層においては、すでに1995年がピークとなり、その後30年も人口減少が続いてきました。

にもかかわらず、つい最近まで、どうにかこうにか日本の産業界は、それを乗り越えてきた。だから、「今後も、何とかなるだろう」と思う人が多いのもわからないことではありません。

ただ、2020年を過ぎたあたりから様相は一変しました。その人手不足感は、国家を挙げて対策を打たねばならないほどです。もちろん、それをすべて外国人の労働で解決するというのは暴論でしょう。

たとえば自動化・省力化などを進めること。もしくは、生産性の低い企業に退出してもらい、残った生産性の高い企業で合理的な経営を進めること。雇用延長をして、65歳を超えても長く働けるようにすること。こうした対策を総動員して、ようやく乗り切れるかどうか、というところまできているのです。

ここでは、「今、日本が置かれている状況」について、整理していくことにしましょう。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

イーライリリー、中国に10年で30億ドル投資へ 肥

ビジネス

米CPI、2月前年比+2.4%上昇で前月と変わらず

ワールド

ホルムズ海峡付近で3隻に飛翔体、タイ船の火災で3人

ビジネス

IEA、最大規模の石油備蓄放出勧告へ 計4億バレル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 7
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 8
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 10
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中