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たった13坪で1300冊を売る町の書店──元シンクロ日本代表と恩師・井村雅代コーチの物語

2025年6月13日(金)15時21分
川内 イオ (フリーライター) *PRESIDENT Onlineからの転載

「敵は己の妥協にあり」師の言葉を胸に

取材の日、この常連さんが友人を連れてきていた。

「本を選んでもらいたい」というその友人のリクエストに応え、二村さんは丁寧に質問を重ねる。少しでも関心がありそうな話題があると、熱のこもった言葉で関連した本について解説する。その熱量に背中を押されるように、女性はこの日、『満天のゴール』を含めて数冊を購入していた。

近所に住んでいて、「この間、20年以上ぶりに来てみた」という高齢の女性は、二村さんの選書が気に入って、再訪していた。


「私ね、ほんまは人から勧められた本って嫌いですねん。自分で探すのが好きやからね。でも、読んでみたら面白かった」

さらに二村さんは近年、「ネットでニュースが消費されがちな今こそ、ノンフィクションの力が必要だ」と、環境、食、教育、ジェンダーなどさまざまな分野で大手メディアが報じないようなテーマを追求するジャーナリストや専門的な知識を持っている識者を招いてのトークイベントを次々に開催。メディアの役割も果たそうと奮闘している。

リアル書店の未来は、どうなるのか。そのヒントは、13坪の小さな書店にある。

「本当に先が見えないし、これでもか、これでもか、これでも本屋やめへんかっていう目に遭わされるんですよ、本当に。そのたびにどうしようって思うんですけどね。井村先生の本のイベントをした時に、トモちゃんにもサイン書いてあげるわ言うて、『敵は己の妥協にあり』って書いてくれはって。それからは、そうや、妥協したら負けや、なんかやれる方法があるはずやと思っています」

「まちの本屋さん」にはまだまだ可能性がある 筆者撮影

「まちの本屋さん」にはまだまだ可能性がある 筆者撮影


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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