最新記事
ビジネス

なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分から15分にまで短縮できたのか

2025年3月27日(木)17時00分
川原洋一(ANAビジネスソリューション講師)

手荷物を預けるのに1時間近くもかかってしまえば、お客様が予定している便に間に合わなくなってしまうおそれがあります。大きな手荷物は座席まで持ち込むことができませんから、預けられなければ、お客様は搭乗できないのです。また、お客様が出発までの間、空港で過ごす大事な時間も少なくなることから、お待たせする時間の長さは深刻な問題でした。

そこで伊丹空港のスタッフは、この問題をカイゼン活動を使って解決することに決めました。

これは、2016年の取り組みですが、当時、どのようにカイゼンを進めたのか見てみましょう。

どこにムダが発生しているのかを計測

まずは、カイゼンの4つのステップの第一となる「現状分析」です。

現状分析のプロセスでとても重要なのは、数値化して客観的な現状を認識することです。

一人ひとり体感は異なるため、お客様を「かなり長い時間お待たせしてしまっている」と思う社員もいれば、「そんなにお待たせしていない」と思う社員もいます。また頻度についても、「常にお待たせしている」と感じている社員もいれば、「長くお待たせする頻度はそう高くない」と感じる社員もいます。

全体の認識を共有するためには、数値化が欠かせません。

ANAでは、一人ひとりのお客様に要する手荷物受託手続きについて標準的な手続き時間を定めています。なお、ペットや超過手荷物などの特殊なお荷物をお預かりする際には、通常の手続きよりも時間を要します。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

映画監督殺害で「トランプ錯乱症」と米大統領投稿、超

ビジネス

フォードがEV事業抜本見直し、195億ドル評価損 

ビジネス

マスク氏資産6000億ドル、史上初 スペースX評価

ビジネス

米エヌビディア、オープンソースの最新AIモデル公開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中