最新記事
東南アジア

「70年代の日本」を彷彿...発展を謳歌する「これからの国」ベトナムで見た日本企業の存在感

Seeking Growth in Vietnam

2025年3月4日(火)11時00分
岩辺智博(本誌記者)

newsweekjp20250303110742-9bd0f7b41294da42b21299a2692b39a39c2ed4d6.jpg

約1000人の従業員が勤務するPEWVNのビンズオン工場。従業員の多くは20〜30代 TOMOHIRO IWANABEーNEWSWEEK JAPAN

パナソニックは早くからこの地に進出した日本企業の1つで、配線器具の販売開始は1994年にさかのぼる。配線器具やブレーカなど電設資材を扱うパナソニックエレクトリックワークス(パナソニックEW)はベトナムを、インド、トルコと共に海外事業における重点3カ国に定めている。特に「祖業」でもある配線器具のシェアはベトナム国内トップで約5割を占める。

「70年代の日本」を彷彿

13年にはホーチミンの北に隣接するビンズオン省に工場を設立するなど、同社はこの国に深く根を張っている。工場長の内藤吉洋によると、30年までに生産能力を1.8倍に強化し、配線器具の生産台数を月900万台から1600万台に増やす計画で、さらなる設備投資にも積極的だ。

なぜ、ベトナムにここまで日本企業の注目が集まるのか。その大きな理由として、この国の現状が成長力とエネルギーに満ちていた「かつての日本」と多くの共通点を持っていることが挙げられる。

住宅不動産市場は急拡大期を迎えつつあり、人口は23年に1億人を突破。ASEANではインドネシア、フィリピンに続いて3番目に多い。平均年齢は30代前半で人口ボーナス期はまだまだ続く。こうした人口増、経済成長に伴う国民の所得向上が今後も住宅需要を支えていくと予想されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中