AI株に中国「ディープシーク」の衝撃...エヌビディアは時価総額約5930億ドル吹き飛ぶ
1月27日、中国の低コスト人工知能(AI)モデルの出現が米半導体大手エヌビディアのようなAIリーダーの優位性を脅かすことへの懸念から、世界的にハイテク株が売られた。写真は、携帯に表示されたディープシークのロゴ。同日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
中国の低コスト人工知能(AI)モデルの出現が米半導体大手エヌビディアのようなAIリーダーの優位性を脅かすことへの懸念から、27日は世界的にハイテク株が売られた。
エヌビディアは時価総額が5927億ドル吹き飛んだ。
先週、中国の新興企業ディープシークは、既存サービスに比べてわずかなコストで少ないデータを使用しているという無料のAIアシスタントを公開。27日までに、このアシスタントはアップルのアプリストアでのダウンロード数が競合のチャットGPTを抜いた。
このためハイテク株の多いナスダック総合は27日に3.1%下落した。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「過去2年間市場をけん引してきたAIのナラティブ(物語)全体を破壊する可能性がある。半導体の需要が減り、AIモデルに燃料を供給するための大量の電力生産の必要性が減り、大規模なデータセンターの必要性が減るかもしれない」と語った。
「スプートニクの瞬間」
リスクからの逃避で投資家は安全資産とされる国債や通貨を求めた。米10年物国債利回りは4.53%まで低下し、日本円とスイスフランがドルに対して上昇した。
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