最新記事
米印関係

「考え方が瓜二つ」トランプとモディがもたらす、「米印関係の重大なリスク」とは?

TRUMP’S RETURN IS AN OPPORTUNITY FOR INDIA

2024年12月11日(水)10時25分
アルビンド・スブラマニアン(元インド政府首席経済顧問)

トランプは中国の経済と貿易を重大な脅威と見なす一方、中国の軍事的侵略には関心が薄く、他国の紛争への介入を嫌う。そのため、通商上の譲歩を引き出せるなら、台湾や南シナ海、さらにはヒマラヤのインドとの国境地帯での中国の行動にも目をつぶる可能性がある。

イーロン・マスクら億万長者の側近も中国市場へのアクセスを守りたい思惑から、中国の拡張主義を放置するようトランプに促すかもしれない。


これらにインドはどう対処すべきか。トランプの要求に応じて関税を選択的に引き下げつつ相手の出方を慎重に待つ戦略や、トランプ一族のビジネスへの投資を餌にする戦略も選択肢の1つだ。

王道は2国間協定や自由貿易協定(FTA)だ。例えばインドの衣料品業界はFTAに守られたベトナムの競合企業や、アフリカ成長機会法(AGOG)によりアメリカ向け輸出関税が免除されるアフリカ諸国に比べて多大なハンディを負っている。

2国間FTAを結べば、労働集約型のインド製品へのアメリカの関税が引き下げられ、公平な競争環境を整えられる。

また、企業が中国以外にも製造拠点を分散させる「チャイナプラスワン」戦略の恩恵にもあずかれるだろう。トランプが提案する中国製品への追加関税により中国からの資本流出が加速すれば、外国企業は代替の投資先を探す。

前トランプ政権の中国製品への関税強化がベトナムやメキシコを利したように、インドも適切な政策を取れば、この傾向の恩恵を享受できるだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

レバノンは食料安保の危機と国連、イスラエル攻撃の南

ワールド

米EU 、 重要鉱物確保で合意間近と報道 中国支配

ワールド

台湾3月輸出額、初の800億ドル突破 AI関連需要

ビジネス

ダイムラー・トラック、第1四半期販売9%減 北米が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡散──深まる謎
  • 4
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 7
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中